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#転生
コシ
103
耀聖(ようせい)
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『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
迷宮の最奥、天をも衝くほどに巨大な黒鉄の大扉が、私の白銀の魔力圧によってメキメキと音を立てて両開きに抉じ開けられた。
立ち込めるのは、おぞましい生贄の血の匂いと、世界そのものを腐食させるような異質の闇の波動。
そこは、最北の古城の心臓部であり、すべての因縁の終着点――『魔王の玉座の間』だった。
「――よくぞ、ここまで辿り着いたな。人族の羽虫ども、そして我が宿敵、シャルロット……っ!」
玉座の奥から響いたのは、地鳴りのような、しかし以前の魔王のものとは明らかに異なる、空間をビリビリと引き裂く神魔の重低音。
漆黒の霧が晴れたその場所に鎮座していたのは、深淵の魔女と契約し、世界の外側の闇を手に入れた魔王ディルクの変貌した姿だった。
彼の背中からは、空間をボロボロと腐食させる6枚の巨大な漆黒の虚無の翼が生え、その全身はドロリとした闇の粘液のような鎧に包まれている。血のように紅い瞳はさらに深く、世界を呪うような真紅へと染まり、彼の周囲では物理法則が歪んで光が歪曲していた。
まさに『世界の破壊者』と呼ぶに相応しい、異形にして圧倒的な絶望の格好。
並の人間なら、その姿を一目見ただけで精神が崩壊し、狂い死ぬほどの邪悪なプレッシャー。
しかし、大扉から堂々と足を踏み入れた私たちは、眉一つ動かすことはなかった。
私は背後に神々しい『白銀の薔薇の翼』を優雅に羽ばたかせ、ふっと、心底つまらなそうに紫の瞳を細めた。
「……はぁ。相変わらず、反吐が出るほど悪趣味な格好(ドレスコード)ね」
「な、何だと……っ!?」
ディルクの真紅の瞳が、驚愕と怒りに激しく跳ね上がった。
「深淵の魔女とやらに魂を売って、少しはマシな知性を手に入れたのかと思えば……。そんなドロドロとしたナメクジのような闇を纏って、ご自慢の翼を増やして悦に浸るなんて、本当に救いようのないセンスの無さですわ。前世のバロア王国の偽聖女といい、どうして私の前に現れる悪党は、こうも見た目が醜悪なのかしら? お茶の時間が完全に台無しですわね、お兄様」
「本当にその通りだね、ローゼマリー」
私の隣で、アルベルトお兄様が完璧な、しかし底知れない冷徹さを孕んだ美貌に不敵な笑みを浮かべた。
お兄様の周囲に展開された高密度の氷結魔法陣が、魔王の放つ闇のプレッシャーを完全に相殺し、パキパキと小気味良い音を立てて空間を凍らせていく。
「僕の可憐なローゼマリーの視界に、そんな不潔な化け物を映すこと自体が不愉快だよ。その増えた羽ごと、今すぐ綺麗に毟(むし)り取って分別ゴミに出してあげよう」
「ローゼマリー様、アルベルト様。床の汚れ(魔王)のお掃除の準備は、すでにいつでも完了しておりますわ」
私の後ろに控えるリンが、おっとりとした声で一礼しながら、その両手に神聖な光と美しい薔薇の魔力を籠めた漆黒のダガーを構える。影を奪われた絶望を乗り越え、彼女の殺気は今や魔王すらも明確に威嚇していた。
◇
「おのれぇぇぇ人族どもがぁぁぁ!!! 世界の外側の力を手に入れたこの私を、これ以上愚弄するなァァァッ!!!」
私たちの容赦のない冷酷な煽りに、魔王ディルクのプライドは完全に限界を迎えた。
激昂した彼が漆黒の杖を振り下ろすと、彼の背後の6枚の虚無の翼が一斉に広がり、玉座の間全体を完全に埋め尽くすほどの『漆黒の滅亡光線』が、猛烈な速度で私たちへと放たれた。
ズガァァァァァンッ!!!!
それは、先ほど迷宮の騎士が放った腐食の闇を、数千倍に濃縮したような一撃。触れた物質だけでなく、空間の概念そのものを消滅させる、まさに桁違いの破壊魔法。
「無駄だよ。――『絶対神聖・永劫氷壁(マジェスティ・ゼロ)』!」
アルベルトお兄様が前に一歩踏み出し、掌を前に突き出す。
瞬時に展開されたのは、大陸の全魔導師が束になっても構築できない、神聖な光の加護を融合させた超巨大な『白銀の氷結結界』。
ドゴォォォォォンッ!!!!
魔王の放った滅亡の闇と、お兄様の最強の氷壁が真っ向から激突し、凄まじい衝撃波が古城全体をグラグラと揺らした。空間を消滅させるはずの魔王の闇。しかし、進化したお兄様の氷は、その消滅の法則ごと闇をガチガチに凍らせ、相殺して霧散させていく。
「な……バカな!? 私の闇の出力を、真っ向から防ぎ切るだと……っ!?」
「驚くのはまだ早いですわ、不審なナメクジさん」
お兄様の結界の後ろから、リンの姿が空間からかき消えるように消失した。
次の瞬間、魔王ディルクの直上、空間の裂け目からリンが神速で舞い降りる。
「――我が主の道を阻む者に、光の裁きを。――『聖華・百花繚乱(シャイニング・フルバースト)』!」
リンが両手から放ったのは、魔王の闇に対して致命的な特効を持つ、無数の神聖な光の薔薇の矢。
それらは雨のように降り注ぎ、魔王の6枚の虚無の翼へと正確に突き刺さった。
ズガガガガガガガッ!!!!
「ギャァァァァァァァァァッッッ!? 熱い、熱いぃぃぃっ! この光は、一体何なのだぁぁぁっ!?」
世界の外側の闇を纏い、無敵を誇っていたはずのディルクの肉体が、リンの放った神聖な光の薔薇によってメリメリと浄化され、その巨大な翼の2枚が一瞬で焼き千切られて光の塵へと変わった。
「素晴らしい連携ですわ、お兄様、リン」
私は白銀の翼を大きく羽ばたかせ、ゆっくりと宙へと浮き上がった。
私の全身から溢れ出したのは、魔王の持つ闇のさらに上を行く、世界そのものを再誕させかねない『白銀の神の魔力圧』。
「さあ、魔王ディルク。世界の外側の闇とやらが、どれほど安っぽいものか……その身で直接、思い知りなさい」
私の紫の瞳が冷酷に細められ、右手には世界の理を完全に書き換える、超特大の白銀の魔法陣が展開される。
最強の3人による、魔王を徹底的に叩き潰すための絶対無双のバトルが、
今ここに完全開幕したのだった。
コメント
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魔王の変貌、めっちゃ不気味で強そうなのに、ローゼマリーたちがまったく動じずに「悪趣味」「ナメクジ」ってバッサリ切るところ、最高にスカッとしました!お兄様の氷壁とかリンの聖華乱舞とか、絶対的な強さが伝わってきて読みながら鳥肌が立ちました🤍 3人の連プレイ、かっこよすぎます!