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つづき
勇斗目線。
すいません。話進んでません
今日も、俺の仁人くんはかわいい。
俺のって?うん、そーだよ。
太智にこないだ言われたのよねー。
「佐野さんからやと、吉田さんかわいいんやねぇ」って。
なんかニヤニヤしてたから、それはちょっと気になったけど、
確かにもはや最近は“吉田仁人”みたいになっとるわ。って妙に納得したんだよな。
仁人に対してだけほんと語彙力無くなってる。
今日もいつものようにショート撮ってたんだよね。
みんなでわちゃわちゃしてて、
後方腕組みになっちゃってる仁人にちょっかいかけにいって、
すんげえ声出して拒否されて、
これまたいつものお決まりパターン。
最近嫌がってるのが、マジでかわいいんだよな。俺、なんかやばいかも。
で、まあ。
いつも通り何やってんだかわからん3人組に体ごと向きなおした時に、
クッて、抵抗があって、逃げ出したはずの仁人に服の裾引っ張られてた。
「じんと……?」
振り返って驚いた。
光を反射したその目が濡れてる気がして。
「え?なんで、おまっ、泣いて、、?」
俺の声が聞こえたのかどうか、わからないけど、
明らかに、狼狽えたその顔を、誰にも見せたくなくて。
考えるより早く
手を伸ばして引っ張っていた。
……いつものような抵抗はなく、
すっぽりと俺の胸におさまる。
え?これなに。めっちゃかわいい。
やばいやばいやばい。
どうしよ、なんかわかんないけど、
にやけちゃいそう。
そんな感慨に耽る間も無く、
さっきまで騒いでた奴らが気づいて声をかけてくる。
それに俺よりも早く、仁人が反応した。
大人しくおさまっていた、腕の中から必死に逃げようとして、あわあわと何か口走ってる。
ああ、俺はこの顔を知ってる。
おれの「かわいい」の後、
悲しそうな一瞬しか浮かばない、
なんとも言えない儚い、忘れらないあの顔。
そんなに俺との仲を勘ぐられるのが嫌なのか。
すっと離してやり、改めて声をかける。
「おいちゃんねー、もうおじいちゃんだから……
多少演技がかっていたかもしれないけど、いつものように戯れてるだけのメンバーの日常にすぐ戻った。
気のせいだったのか、
泣いていそうだったのに。
でも、たしかに俺から逃げ出した仁人に涙はなかった。
だとしても。
あの表情はなんなんだろう。
かわいいって言ったら、嫌がられるのはいいけど、
あのなんとも言えない、泣きそうな顔はしないでほしい。
ほんとにかわいいんだ。
素直に笑い返してくれたらいいのに。
おかしいのは
やっぱり俺か。