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つづき。
仁人目線。
ちょっと遅くなったのと、
無駄に長くなってほんとすいません。
あの後。
いつも通りに終わって、
いい時間だし、飯食いに行く?
とかなんかみんなが話してる声をぼんやりと聞き流しながら、帰り支度をする。
とにかくこの場から、勇斗から離れないと。
気のせいでなければ、
いや気のせいなんかじゃなく、
痛いほど勇斗の視線を感じる。
これ以上ここにいたら、誤魔化せない。
「今日、ちょっと俺先に帰るね。おつかれさまでしたー、お先」
少し不満げな声も聞こえた気もするが、
おつかれさまー。という、誰かの声に送られながら、逃げるようにドアをくぐった。
なんとか家に帰りつき、リビングまでもたずにしゃがみ込む。
あの後から思考は同じところをぐるぐる回っている。
何があった?何をした?
何をとち狂ってた?
それよりなにより勇斗はどうして?
もう思考がまとまらない。
ドクドクと耳の奥で鳴る心臓がうるさい。
どうやっても都合のいい解釈が頭の隅でチラつく。
何度も自惚れそうになる、ありえない妄想。
なんとかキッチンへ行き、
冷蔵庫から水を取り出し、飲み干す。
少しだけ落ち着いて。
やらかしたのだけは確か。
勇斗に情けなくも縋ってたわけだし、
あんな急にひっぱって、何やってんだ。
そりゃ当然振り向くよな。急に何?って思う。
でもそれで、抱きしめるのは違うよな。
なんで?
引き止めたら抱きしめられるとか、
どこの少女漫画の世界線。
そんな世界で俺は生きてないだろ。
いや、あの顔はなんだ。
俺に泣いてるとか言って
悲しいような辛いような、
勇斗の方が泣きそうな顔してたじゃないか。
それにしても。
そのあとはまるで何事もなかったかのような振る舞いはさすがすぎて。
つまりは、演技するほど、
俺との間には何もないと言うことだ。
抱きしめられて勘違いしそうになった。
もしかして、と。
そんなことあるわけないのに。
暗闇にスマホが着信を知らせ、
ディスプレイに表示される
--佐野勇人--
取ることはできず、
眺めているうちに静かになった。
混乱の中、なんとか眠りにつけば、
それでも睡眠は癒しをくれ、
多少は昨日の混乱は身を潜めた。
あれから数日経ち、
電話が鳴ることもなく、
俺が掛け直すこともなく、
俺たちは表面上は相変わらずだった。
会う機会が極端に少なかったのもあるが、
勇斗は相変わらず口を開けば「かわいい」と言って、周りも呆れたり同調したり同じような反応。
ただ、いつも何か言いたげな、勇斗の視線だけが、ふいに俺に付き纏ってくる。
そのくせ、こちらが見やると、ついと違う方に意識をやり、俺が追いかけることを許さず、
ただいたずらに時間だけが過ぎていった。
どうしたらいいんだろう。
おそらく、勇斗にこの恋情がばれている。
なにかいいたげで、でも言わないのは
俺のこの感情に対する答えをつけられないのだろう。
変に真面目なあいつは、
答えを出したら今の関係性が壊れかねない、
そしてそれはM!LKまでも壊しかねない事を危惧しているのだろう。
誰よりも何よりもM!LKを愛する男にとっては、死活問題。
俺はこのまま何も無かったように、
今まで通り過ごせる。
もう情けなく縋ったりしない。
それこそ俺だって、
M!LKが、みんなが必要なのだ。
壊すことなんて、絶対にしない。
だからもう、
そんな顔しないで。
そんな目で見ないで。
俺はいつまでも馬鹿な期待をしてしまう。
そのまま知らないふりしてくれれば、
今までと何もかわらずできるはずだから。
やばい、この人暗過ぎないか……
こちら目線だと話が進まないので、困る
飛ばして勇斗側行こうかと思ったぐらいでした。