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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
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ねむ
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美虹「あら?コレは、誰のお葬式?」
喪服を着ている始と、妹の「ろあ」が泣いている写真を見て、美虹は快晴に尋ねた。
快晴「多分、奥さんの「ちさえ」さんでしょう」
美虹「……え?」
快晴の言葉を聞いて、美虹はキョトンとした顔をしていた。
美虹「待って。聞いた話じゃ、一番最初に首を吊って死んだ始さんの呪いを受けて死んだって…」
快晴「もし、このアルバムが本当なら、一番最初に亡くなっているのは奥さんの「ちさえ」さんですね」
美虹「え?」
快晴「先輩、この赤い日記帳の一番最後のページを見てください」
『路郎とあの彼女さんが、別れたらしい。残念だわ。それより、この家も随分古いのかしら。なんだか変な匂いがする』
美虹「それ以降は白紙ね」
快晴「おそらくですが、「さちえ」さんはそのあとなんらかで亡くなって。この写真が写している葬式は、そのあとの事だと思います」
美虹「殺された?けど、その説が本当なら、女嫌いの旦那さんの呪いで死んだは嘘になるって事?」
快晴「はい」
美虹「え?でも、どうしてあの人嘘なんか?」
快晴「それは、当人に聞かないとわかりません。それと、おそらくこの「じろう」さん部屋は、母親の「ちさえ」さんの部屋だと思います」
美虹「ッ!確かに、オーナーさんの部屋って言うより、お母様の部屋って言う方がしっくり来るわね。アイシャドウの粉が落ちてる鏡台が部屋にあるし」
快晴「はい。それなら、この赤い日記の持ち主が「ちさえ」さんの物で、この部屋にあるのも当たり前になります」
美虹「……それなら、他の部屋も?プレートが間違ってるの?」
快晴「はい」
快晴は「じろう」の部屋……改め「ちさえ」の部屋を出た。去り際に、この部屋の扉にかかっている「じろう」と書かれたプレートを取り、「ちさえ」の名前が書かれたプレートをかけた。
快晴「さて、「ろあ」さんの部屋の扉にかかってたプレートを、「ちさえ」さんの部屋にかけて……」
快晴は、「ろあ」と書かれているプレートを取って、階段の通り過ぎた突き当たりの壁まで早歩きし、手前の部屋の扉にかける。
美虹「確かに、この部屋は婦人の部屋って言うより、女の子の部屋……っての方がしっくり来るわ。白色の有名なキャラぬいぐるみ三体とか、学習机とかねぇ。あとは、血腥い部屋と開かない部屋なんだけど…」
快晴「はい」
美虹「血腥い部屋が「はじめ」さんの部屋……って事じゃないわよね?」
快晴「はい」
美虹が真剣な面持ちで確認するうに快晴に聞くと、彼は淡々と返事して、血腥い部屋の扉に「じろう」と書かれたプレートをかけた。
快晴「あの開かない部屋が、「はじめ」さんの部屋です。おそらく、昨夜僕が見た天井に吊るされたままの首吊り縄があると思います。それに……」
美虹「それに?」
快晴「昨夜、オーナーさんに案内して入った始さんの部屋…。この部屋のように血腥い臭いじゃ無かった」
美虹「確かにね。私もオーナーさんに連れて来てもらった時は、天井にロープがあったのを見たし、血腥い臭いも無かった」
快晴「なので、この血腥い部屋は……
……オーナーさんの部屋になります」
美虹「……。それじゃぁ女の子が行方不明になってる原因って、オーナーさんだったの?」
快晴「僕がわかったのは、オーナーさんがこの写真に写っている塩顔の「じろう」さんと同一人物って事とオーナーさんが嘘つきだという事くらいです」
美虹「この写真見て、『今のオーナーさんと昔のオーナーさんは別人説』があったのね?」
快晴「はい。『整形した路郎』って嘘ついて周りを騙して、「じろう」さん含めてこの別館に住んでいた家族を皆殺しにした…って考えましたが、音奈ちゃん抱えて明かりの無い真っ暗闇の別館内を歩いてましたからその説は無くなりました」
美虹「確かに、莉來ちゃんは階段で転んで捻挫してたけど、路郎さんはスイスイ歩いてたもんね」
快晴「それともうひとつ。路郎さんは昨夜、しっかりと僕達を「はじめ」さんの部屋へ案内してました。20年住んでいましたので、体が行き慣れた父親の部屋へ向かっていたのでしょう」
美虹「あの開かない部屋よね?」
快晴「はい。おそらく、あそこの鍵はオーナーさんが持っていると思います。プレート替えは、この別館にいたホームレスに手紙か何かで伝えていたと思います。和水始さんの名前を使って」
美虹「……そういえば、女の子が行方不明になってるのは父親の呪いのせいにしてたわね。それに、別館に地下があるなんてひと言も言ってなかった。お父様の部屋だから『忘れてた』って惚けてたけど、そんな惚けるようなお年頃でもないでしょうに」
快晴「地下がある事を僕達に言わなかった。と言うこと、地下に行かれたら困るという事で…」
美虹「ねぇ、志土君が危ないんじゃないの?」
快晴「……」
美虹がそう言うと、快晴は暫く黙って固まった。
快晴「地下に行きましょう」
美虹「そうね!」
快晴と美虹は路郎と一緒にいる志土がいるだろう一階へ下りた。