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かおしき 〜花言葉②〜
視点:馨
あの日から、四季君は来ていない。
一日、二日なら「忙しいのかな」で済ませられた。
一週間過ぎても、僕はそう思おうとした。
(二週間……)
いつもなら、ドアの鈴が鳴るたびに
「もしかして」と顔を上げてしまう自分がいる。
……でも、違う。
(なんで? どうして?)
(連絡、すればいいのかな……)
レジの引き出しの奥。
あの日、四季君が置いていった紙切れ。
指でなぞるように、電話番号を見る。
(間違えて置いていったんだよね)
(だから、返さなきゃいけないだけ……)
自分に言い聞かせるように、スマホを手に取る。
番号を入力して、止まる。
(もし、出なかったら?)
(もし、もうこの番号が使われてなかったら?)
胸の奥が、ひやりとした。
――やめやめ。考えすぎ。
深く息を吸い、店の外を見る。
ひまわりが風に揺れている。
(マリーゴールドの花言葉……)
(四季君、知ってたのかな)
「……知らなかった、よね」
そう呟いてから、気づく。
それは願いじゃなくて、逃げだって。
僕は、スマホを握り直した。
「……一回だけ」
そう決めて、通話ボタンを押す。
コール音が鳴るたび、心臓がうるさい。
――もしものことが、頭をよぎる。
考えたくない想像が、いくつも浮かんでくる。
(四季君……)
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文章力下がりました。 すいません🙇