コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「わたくしを守る……」
そこまで口にしたあと、アンジェリカはふとその唇をきゅっと結んだ。
アンジェリカの言葉が詰まったことで、観客席はなにかあったのかとザワザワと落ち着きを無くし始める。
(この皇女殿下は茶番劇すらまともにできないのか──?)
ジークハルトは顔を上げ、鋭い目つきでアンジェリカを睨んだ。
(ここは本来ならば『わたくしを守る剣と盾になれ』というのが形式的な口上)
アンジェリカはジークハルトの鋭い視線を正面から受けながら、考え込んでいた。
(もちろん形式は必要だわ。騎士の誓いという儀式ですもの。でも……)
脳裏にはあの牢獄で、ジークハルトが見せた冷たい視線がよみがえっていた。
(それだけで、ジークハルトがわたくしに忠誠を誓ったことにはならない)
きっと有事の際には、あっさりとアンジェリカを見捨てるだろう。
“あの時”そうだったように。
絶*********************
******
************************
*************
************************
*****
******************
*********************