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あれから何度も何度も同じ光景を見た
そのたびに黒いスーツの人が一人 また一人と数が少なくなっていった
そして時が流れていきスーツの人は一人 袋をかぶせられている人も一人になった
またこの袋をかぶせられている人は落とされるんだろうな
私はそう思っていた
今までどれだけ抵抗しても水槽の中に落とされていたのにその人だけは抗い逆に黒いスーツの人を水槽の中に突き飛ばしたのだ
水槽の表面が真っ赤に染まっていく
袋をかぶせられていた人はその袋を取り水槽の中を覗いた
「お前は昔から力が強かったからな 俺と力比べなんてするもんじゃないのにな」
そう言いその人は振り返り
「次はもっと優秀で裏切りの連鎖がないようなグループを作らなければ」
その時私は思った
これはこの先もずっと繰り返される
そう思ってから私の行動は早かった
何のためらいもなくその人を水槽の中へ突き落したのだ
水槽に突き落されて男は取り乱していた
「誰だ!そこにいるのか!」
この人も私のことが見えているのかがふと気になり水槽の中に顔をのぞかせた
水槽の中で取り乱している人は必死に何かから逃げていた
「助けてくれ!嫌だ死にたくない!」
その時中の水が赤く染まり同時に大きな悲鳴が上がった
今まで何度もこの光景を見てきたが一番の取り乱していた
まさに因果応報だ
そしてこの不幸の連鎖を私が終わらせた
私は謎の幸福感と達成感に溢れながら目が覚めた
目の前にはまだ料理が残っていた
あまりのおいしさにガツガツと食べていた
口の中でガリっと音がした
音の正体が気になり口の中から取り出した
手の上に出すとまるで末節骨のような 指の骨のようなものが出てきた
明らかに魚の骨ではない
本来であれば恐怖で叫んでいたのだろう
その時は私は叫ばなかった
恐怖という感情よりも夢で感じた幸福感と達成感があふれ出てきた
ふと厨房のような場所を見るとシェフのような人がこちらを覗いている
そのシェフのような人は後ろからの光で偶然影ができているのかわからないが尖った何かを持っているようだった