※甚だしい捏造
※非日常な日常話
※実在の人物、団体とは一切関係ありません
※頭からっぽ状態で書いてます
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ゆっくりしていってね
おさかな、(゚д゚)ウマー
と言わんばかりの様子で、鍋の中に入った魚を次々食していくエミペンギン。
水族館のペンギンの餌付けショーを彷彿させるエミペンギンの姿を見ながら、ゾムはぼんやりと考えた。
魚……足らんな。
ゾムはおもむろにスマホを手に取り、黙々と魚を飲み込むエミペンギンの横で、黙々とメッセージを入力していた。
「ぐぁっ?」
腹具合が落ち着いてきたエミペンギンに、ゾムの行動に気付く余裕が生まれた。
何しとんの?
と言う感じで、エミペンギンがゾムを覗き込む。
ゾムもエミペンギンが何言っているかを雰囲気で感じ取ることができたのか、メッセージを打ち込みながら淡々と返事をする。
「ん~~。みんなにエミさんの写真、送っとんねん」
なにしとんねーーーーん!!!!
ペンギンの叫び声と羽をバタつかせての威嚇行動をしてみせるも、ゾムは笑いながらその様子を録画しているだけだった。
「いや〜〜、威嚇行動もかぁわええな〜〜w あ、これもみんなに送ったろw」
やめて。
威嚇というより懇願の声で一鳴きするエミペンギンの説得(?)も虚しく、ゾムとエーミールのスマホから爆弾投下のようなメッセージ着信音が鳴り響く。
「おお〜w さっすがみんな反応が早いな〜」
「何人か見に来るって言うてるで」
そう言って笑うゾムに、エーミールは諦観したような表情を浮かべ(たつもりで)、空になった鍋をガッコンガッコンと揺らす。
生魚の使用用途がわからなかったゾムは、人間が食べる分の魚しか買ってこなかったので、ペンギンのエーミールには足りなかったようである。
「おん。おかわり欲しいんか?」
エミペンギンが何度も首を縦に振る。
「こっち向かってる奴らに、魚を持ってこい言うてあるから、もうしばらく待っときや」
ありがとうございます。
マイクラでShiftキーを連打するかのように、エミペンギンが何度も頭を下げる。
「いくら元に戻る言うても、当面はペンギン生活で大変やろ? 他に何か、やっとくことある?」
なんだかんだで、皆優しい。
イジられキャラが時に辛くて、失踪も考えた事も何度かあるが、本当に困った時はこうして皆で支えてくれる。
せっかくペンギンになったことだし、ここは少しは甘えて……ええよね?
エーミールは心の中でふっと笑うと、スマホをタップしてメッセージを送る。
『そしたら、台が欲しいです。トイレ用と…あと、お風呂にも』
「ペンギンなんやから、そのへんでう◯こしてても、ええやん」
エミペンギン の いかく。(ポケモン風)
『後で掃除するの私ですよ!』
『それに、考えてもみてくださいよ。今でこそ外見はキングペンギンですが、中身はええ年こいたおっさんなんですよ? そんなおっさんが、う◯こ垂れ流して歩いてるとか……』
「確かにそれはイヤやな。台作る材料も買ってくるよう、アイツらに連絡するか」
『お手数おかけします』
メッセージを送ると、すぐに返信が来た。
🐷『おkやで。ほなオレ、大先生とホムセン寄ってから行くから、少し遅くなるわ』
🐧『ありがとうございます』
🐷『ついでに欲しいモンとかあったら、また連絡くれや』
🐧『はい』
やっぱり皆、 優しいな。
ほっこりした気持ちになりながら、エーミールはうれしそうに空になった鍋の底を突いていた。
【まだ続くのかな…(゚д゚)】