「いいよ。ていうか、すごく嬉しい」
あっ、付き合ってから初めて一緒に寝るかも。
「俺、寝る準備してくるから……。桜は先にベッドに入っていても良いよ?」
「はい。わかりました」
返事をして、寝室に向かう。
ポスっとベッドに座る。
蒼さんのベッド、フカフカだ。
蒼さんの言葉に甘えて、布団の中で先に待っている。
あっ。蒼さんの匂いがする。変態的な発言を心の中でしてしまった。
「桜。電気、消して良い?」
「はい!」
電気を消して、蒼さんがベッドの中に入って来る。
何も見えない。
けど、隣にいる蒼さんの体温を感じる。
思わず横を向き、彼の腕をギュッと抱きしめてしまった。
「今日は怖かったよな。ごめん」
いつもは自分からこんなことはしない。
蒼さんは、菫さんのことがあったからだと思っている。
確かに今日の今日だし、まだ頭にその時の光景と胸に触れられた時の感触が残っている。
でも――。
「蒼さんにこうやってギュッと掴まっていられるから、怖くないです」
この手がいつだって守ってくれるから。
「桜……」
彼はポツリ私の名前を呼んでくれた。
蒼さんの体温が心地良くて――。
ぐっすり寝ちゃいそうだ。
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