テラーノベル
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きら
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※あくまで二次創作!苦手な方はここてまストップ!
🤍:ねる
🩷:たく
❤️:とあ
💚:らん
🧡:ひろ
ねる目線:
グループに馴染めてきた、と思う。
入って三ヶ月が過ぎてレッスンの振りも少しずつ身体に染み込んできた。既存メンたちとも雑談ができるようになったし、休憩中に誰かが買ってきたコンビニのお菓子を回し食いするような、そういう距離感も覚えた。僕はどちらかといえば口数が少ない方だけど、それでも居場所があるという感覚は思っていたよりずっと温かい。
ただひとつだけ。
🩷「とあくんそれ俺にもちょうだいよ」
❤️「えー、じゃあ特別ね」
楽屋の端っこ。たくちゃんが先輩のとあくんの髪を梳くように触っていた。手のひらで耳の後ろをくすぐるようにして、そのまま顔を覗き込む。とあくんは「やめてよw」と言いながらもまんざらでもなさそうに笑っている。先輩相手でも物怖じしないのがたくちゃんらしい。そこがいいところでもあるんだろうけど。
僕はソファに座ったまま手に持ったペットボトルのキャップを開けたり閉めたりしていた。カチカチという音がやけに大きく聞こえる。
🧡「それ飲まないの?」
隣に座っていた同期のひろくんが声をかけてきたので僕は慌てて一口含んだ。炭酸が喉に刺さる。げほと咳をしたら笑われた。情けない。
💚「たく、ほんと人懐っこいよね」
🧡「うん、なんか弟気質」
💚「でもさあれやられると嬉しくなっちゃうんだよなー」
ひろくんとらんくんが口々にそう言う。僕は黙って頷いた。そう、たくちゃんはそういう子だ。僕にだけ特別なんじゃない。誰にでも同じように距離が近くて誰にでも同じように甘える。この三ヶ月でそれは嫌というほど分かった。
分かったつもりだった。
なのに。
🩷「ねるくん今日ちょっと元気ない?」
レッスンが終わって着替えているときだった。たくちゃんが隣のベンチに腰かけて上目遣いに僕を見上げてきた。その顔はやっぱり可愛くてでも僕は今日は素直にそう思えなかった。
🤍「別に」
🩷「嘘だ。声、低いよ」
🤍「低くない」
🩷「低い」
たくちゃんは身を乗り出して僕の顔をじっと覗き込んだ。その距離に心臓が反応する。反射みたいなものだ。でも今日はその反応が、少しだけ苦しい。
🤍「とあくんと、仲いいんだね」
言ってから、後悔した。我ながら子どもっぽい。たくちゃんは一瞬きょとんとした顔をして、それからふっと笑った。
🩷「ねるくん、それって」
🤍「なんでもない。忘れて」
🩷「やきもち?」
ぐ、と詰まる。僕は黙ってタオルをバッグに押し込んだ。耳が熱い。見られたくなくて俯く。床のタイルの木目を、やけにじっと見つめてしまう。
🩷「ねるくんって、ほんとに分かりやすいよね」
たくちゃんの声は笑っていた。それが余計に腹立たしい。僕は顔を上げて少し強い口調で言った。
🤍「たくちゃんは、誰にでもああいうことするんだね」
🩷「ああいうこと?」
🤍「触ったり近づいたりそういうの」
言い切ってからしまったと思う。言い過ぎた。空気が少しだけ止まった。
たくちゃんは笑うのをやめていた。膝の上に置いた手を自分の指で弄っている。その仕草はいつもの小悪魔らしさがなかった。
🩷️「ねるくんは嫌だった?」
🤍「嫌とかじゃない」
🩷「じゃあなに?」
返事に詰まる。言葉にしたらなにかが決まってしまう気がした。この三ヶ月で築いたちょうどいい距離が、崩れてしまう気がした。僕は黙り込んでバッグのファスナーを閉めた。ガリ、という音が妙に響く。
🩷「ねえ」
たくちゃんが立ち上がった。僕より頭一つ低い位置からまっすぐに見上げてくる。さっきまでとは違う真剣な目だった。
🩷「俺さ、ねるくんにだけちょっと違うんだよ」
🤍「……何が」
🩷「分かんない?」
分かるわけがない。分かりたくない。だって、分かってしまったら今度こそ僕は同じことをしてしまう。この子の可愛さに、また衝動をぶつけてしまう。そうしたら——。
🩷「ねるくん、また怖い顔してる」
たくちゃんはそう言って僕の腕にぽんと手を置いた。今度はすぐに離れた。その手のひらは、いつもみたいに冷たくなかった。あったかかった。
🩷「とあくんにはあんまりしてないよ」
🤍「……してたじゃん」
🩷「あれは、ねるくんが見てたから」
🤍「なにそれ」
🤍「意地悪」
たくちゃんは小さく笑って先にロッカー室を出ていった。ドアが閉まる音がして、僕はひとりベンチに座ったまま動けなくなった。
見てたから、ってなんだ。
それは、つまり。
考えるのをやめようとしたけど無理だった。心臓がまだ、さっきのまま鳴っている。僕はバッグを肩にかけて、ゆっくりと立ち上がった。鏡の前を通りかかって、自分の顔を見る。耳まで真っ赤だった。こんなの、誰が見ても分かる。分かりやすいって本当だ。
廊下に出るとたくちゃんは壁に寄りかかって待っていた。スマホをいじるふりをして、でも画面は真っ暗なまま。
🤍「……待ってたの?」
🩷「別に。たまたま」
🤍「嘘つき」
🩷「ねるくんに言われたくない」
ふたりで、少しだけ笑った。さっきまでの張り詰めた空気が、すこしだけ緩む。並んで歩き出す。
🩷「ねるくん」
🩷「今度さふたりでごはん行かない?」
🤍「……なんで」
🩷「やきもち焼いてくれたお礼」
🤍「焼いてない」
🩷「焼いたでしょ」
たくちゃんは歩きながら、僕の腕にそっと手を絡めてきた。今度は誰も見ていない。他のメンバーもいない。ただ、ふたりだけの廊下。
僕はその手を振りほどけなかった。振りほどきたくなかった。
やきもち、って自分で言うんだ。ずるい。ぜんぶずるい。でも、そのずるさに捕まっているのはたぶん僕の方で。
🤍「……行く」
🩷「ふふ、うん」
小さな手のひらの温度が夕方の光の中にじんわりと溶けていく。僕は歩きながらまだちょっとだけ、とあくんのことを思い出していた。今度こそ、同じことをしてやろうかなんて。
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つづく
リクエストなどあったらコメントしてみてください〜😊(ペア名書いて!)
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