テラーノベル
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そのスマホが見つかったのは、雨の次の日だった。
駅前のベンチの下。
画面は割れていなくて、充電も少しだけ残っていた。誰かが落としたにしては、不自然なくらい静かにそこにあった。
待ち受けは、真っ黒だった。
写真もない。好きなアイドルも、風景も、犬も猫もない。ただ黒い画面に、小さく時刻だけが浮かんでいた。
私は交番に届けようとして、やめた。
理由は分からない。ただ、そのスマホが「まだどこかへ行きたくない」って思ってる気がした。
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