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195
瑠南
日本 朝。
ぷりっつ「なああっきい。」
あっきい「んー?」
ぷりっつ「お前、昨日の話ほんまなん?」
あっきい「まだ疑ってんの?」
ぷりっつ「いや、疑うやろ普通。」
まぜた「俺は信じてる。」
ぷりっつ「まぜたは真面目すぎやねん。」
ちぐさ「おっはよー!」
明るい声。
あっと「おはよう。」
けちゃ「おはよう。」
いつも通り。
……のはずだった。
ぷりっつ「ちぐ。」
ちぐさ「ん?」
ぷりっつ「昨日、なんであんな焦ってたん?」
空気が止まる。
あっきい「そうえばそうだね。」
まぜたが静かにちぐさを見る。
ちぐさ「え、普通だよ?」
ぷりっつ「普通ちゃうで。」
ちぐさ「え?」
ぷりっつ「めっちゃタイミング良すぎや。」
あっとが一歩前に出る。
あっと「偶然だよ。」
ぷりっつ「ほんまか?」
けちゃ「先生に呼ばれてたのは本当だよ。」
ぷりっつ「そっちは信じるけどな。」
ちぐさが少しだけ視線を逸らす。
ぷりっつはその一瞬を見逃さない。
昼休み 屋上。
ぷりっつ「なあ。」
あっきい「なんだよ。」
ぷりっつ「俺、ちょっと考えてんねん。」
まぜた「何を。」
ぷりっつ「昨日の話と今日の話。」
あっきい「俺のやつ?」
ぷりっつ「せや。」
ぷりっつは空を見上げる。
ぷりっつ「空が割れた。」
ぷりっつ「変な言葉。」
ぷりっつ「で、ちぐが止めた。」
あっきい「うん。」
ぷりっつ「偶然にしては出来すぎやろ。」
まぜた「……。」
ぷりっつ「あともう一個。」
あっきい「まだあんの?」
ぷりっつ「ある。」
ぷりっつの目が少し鋭くなる。
ぷりっつ「ちぐら三人。」
ぷりっつ「帰る方向、毎回同じやのに。」
ぷりっつ「家の話、一回もせえへん。」
あっきい「……あ。」
まぜたが小さくうなずく。
まぜた「確かに。」
ぷりっつ「普通、どこ住んでるとか話すやろ。」
あっきい「言われてみれば。」
ぷりっつ「しかも。」
少し笑う。
でも目は笑っていない。
ぷりっつ「なんか、遠いねん。」
あっきい「遠い?」
ぷりっつ「距離じゃない。」
ぷりっつ「“感覚”。」
その頃。
ちぐさ「……気づいてる。」
あっと「誰?」
ちぐさ「ぷりちゃん。」
けちゃ「一番鋭いよね。」
あっと「面倒だな。」
ちぐさ「どうする?」
あっと「まだ隠す。」
けちゃ「でも、時間は……」
空の亀裂が揺れる。
黒い影がわずかに覗く。
放課後。
ぷりっつ「ちょっと試すで。」
あっきい「何を?」
まぜた「……。」
ぷりっつ「偶然かどうかや。」
帰り道。
ちぐさたちが歩く。
ぷりっつ「なあちぐー!」
ちぐさ「なにー?」
ぷりっつ「今日さ、一緒に帰ろうや!」
一瞬。
ちぐさが止まる。
あっとの目が細くなる。
けちゃが息を飲む。
ぷりっつは見逃さない。
ちぐさ「えっと……」
ぷりっつ「ええやろ?」
あっきい「俺も行きたい!」
まぜた「……。」
ちぐさ「ごめん、今日は無理!」
即答。
ぷりっつ「なんで?」
ちぐさ「用事!」
ぷりっつ「どこで?」
ちぐさ「え、っと……」
言葉が詰まる。
その瞬間。
あっと「時間だ。」
ちぐさ「……!」
けちゃ「行こう。」
三人はすぐにその場を離れる。
ぷりっつはじっと見ている。
ぷりっつ「……ほらな。」
あっきい「何がだよ。」
ぷりっつ「隠しとる。」
まぜた「……確定だな。」
その夜。
ぷりっつが一人、空を見る。
ぷりっつ「空、ね」
静かに笑う。
ぷりっつ「おもろいことになってきたやん。」
同じ空の下。
亀裂が、また一つ広がった。
第5話 終わり
次回 「響いた音」
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