「何を作ります?」と、冷蔵庫を開けて中を覗き込んだ。
「そうだな、フレンチトーストはどうだろうか?」
横から顔を出して、同じように冷蔵庫を覗いた彼が口にする。
「フレンチトースト、美味しそうですね。卵とパンもありますし、付け合わせに華さんが作っていってくれたマッシュポテトもあるんで、ちょうどいいかもしれません」
タッパに入ったマッシュポテトを冷蔵庫から取り出して、蓋を開けた。
「この華さんのマッシュポテトはうまいからな。それとフレンチトーストなんて、最高の組み合わせだ。二人で一緒に美味しいのを作ろう」
「ええ、このマッシュポテトに合う、最高に美味しいフレンチトーストを作りましょう」
──そう言えば、まだお付き合いをする前に、ホテルで彼が酔ってしまってやむなく泊まった時にも、朝食にフレンチトーストを食べてたよね?
会社近くのカフェでは、確かショートケーキを食べていたこともあったし、蓮水さんってダンディな外見の割りに意外に甘党で、そんなところにギャップ萌えを感じちゃうんだよね……。
かつてのことが懐かしく思い出されると、大好きな彼のためにも、とびっきりなフレンチトーストを作りたいと感じた。
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