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#うりさん
ろのみ🩵🫧
43
19
#年上彼氏
おうか

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ああ…この第六話、めっちゃ胸に来たよ。 主人公が湊の“知らない自分”に触れて、少しずつ距離を感じていく感じ……すごくリアルだった。特に、吉良くんから「湊は泣き虫」って聞いた時の「俺の前では笑ってるのに」っていう違和感。あれ、めっちゃ切ない。 主人公は湯気とか煙とか、ちょっとした違和感を感じ取ってるのに、うまく言葉にできないもどかしさが伝わってきて…。あの二人、本当にうまくいってるのかな…? 次が気になる。
昼休み、もっと近いコンビニもあったが、何となく湊と会ったコンビニへと向かう事が多くなった。
湊を見つけて近寄ると、連れがあった。
「……彼氏、いないんですよね」
その男の言葉、その後の湊の返事に、しばし静止した。
いない? その男は確信のある言い方だった。
「……え……ああ。何?」
湊は否定も、しない。
「どっか、行きません? 休みにでも」
「何それ、口説いてる?」
……ああ聞かない方が良かったな。立ち聞きなんて。
「二宮くん、彼女いるの? 」
「はあ!? いませんよ」
「独身? 」
「そりゃ、そうでしょ」
「なるほど……そっか。年下だとまだまだ未婚の確率の方が高いか」
彼の好意を流したのか、冗談だと思ったのか。
……それとも……
先に出て、以前のように外で待った。
「やだ、ビックリした。休憩ですか?」
湊は俺を見つけると張り付けたような笑顔を向けた。先ほどの彼が出て来て、俺に頭を下る。
「……えっと……」
「うん、また連絡する」
そう言って会社の方へ戻る道を歩いた。若いな。それに……うん、イケメンだな。他の男と話す湊は……楽しそうに、声をあげて笑い、何だか他人のようだった。
俺と会っていない時は、何をしているか、そんな事……考えもしなかった。
俺が知ってる湊は——……。
案外、知らなかった。仕方がない。あれだけ美人ならモテもするだろう。彼女はまだ若い。俺たちだって、まだ……日も浅い。
複雑な心境だった。
家が近い。その事に、誘いやすくはなった。多少仕事で遅くなっても。
泊まって、朝帰る湊にも、すぐ帰れる距離故に納得した。
「……湊、何か疲れてるのか? 」
この日会った湊は少し、目に覇気がない。顔を近づけて、窺うように見る。
「忙しいからなぁ。最近」
そう言った湊は、いつもより笑顔がぎこちない。
「そうか、じゃあ……元気出るように、旨いもの」
そう言って、焼けた肉を湊の皿に入れていく。
「やだ、そんなに食べれない」
そう言った湊に無理やり食べさせる。
「太れ、ちょっと。もう、痩せるような事はないんだろ?」
……相変わらず細い。むしろ、また……少しやせた気がする。
「……そうだね。デザートまで食べようかな」
そう言って笑った。
甘い物が好きなのか、よく頼んでいた。食べながら
「そういえば、吉良くんとは仲いいの?」
唯一の共通の知り合いだ。話の流れから麗佳の話題になった。そっちも、知ってるのか。
「吉良くんも、麗佳さんも、すっっごいもんね。見た目。部長の会社でもモテてたりしないの?」
……あー、モテてるな。かなり……。
「清水部長……も? 」
そう聞いて来たことに驚いた。女ってのは、こんな時、妙に勘がいい。
「え、ああ。昔ちょっと、な」
……湊の顔が、分かりやすく曇った。
「綺麗だなって、思ってただけだよ」
そう言った俺にすぐに笑顔を作ると
「面食いだなぁ、吉良くんも清水部長も」
一瞬の後、笑顔を作るのは湊の癖なのかそれとも、何かを……胸の内を隠す為か、相変わらずだった。
「それは、湊の事も含めて?」
もちろん、湊も綺麗なのだから。そう思って言った。
いつもなら、すぐ返ってくる返事はなく、少し……目が……
「え? 湊……」
「煙たい。ちょっと、それ焦げてるんじゃない?」
「ああ、悪い」
慌てて、トングで網の上の肉を裏返す。だけど……煙など出ているだろうか。
「本気の時だけ面食いか」
小さな声だった。
何時もの様にすらも笑わない。何だ?
「今度、金曜日早く帰れるようにする。泊まって……そのままどこか出掛けようか。土曜日。準備持ってきて」
いつも、翌日に仕事のある平日しか会えてなかった。それに……まだまだ知らない事も多い。知って行きたい。
俺の誘いに、湊はまた一瞬の後、にっこり笑った。
笑うだけで……YESとも言わなかった。NOとも。
ほんの少し距離を作るのは、わざとか……無意識なのか。俺が寂しい思いをさせているのなら。そう思って、時間を作った。
湊は寂しいなんて、言わないだろうけど。
「……湊と会いましたよ。そこで」
商談ルームに入るなり、吉良君はそう言った。
「ああ、会社近いからなぁ。俺もちょこちょこ会うわ。偶然」
「……うまく、いってるんですよね……?」
彼の微妙なニュアンスに引っかかる。
それに、何となく
「そのつもりだけど。何? 眼鏡のイケメンとでもイチャついてた?」
「それは……知ってんだ」
……ということは、彼も二人でいる所を見かけたのか。
「あー、前に見かけた」
「余裕ですね。さすが」
「いや、見たくなかったけどね」
自虐的に笑うと、彼も力なく笑う。
「どうかと思いますけどね、あれは」
「俺も、そう思うよ。仕方がないだろ」
「……」
「美人の彼女を持つと、日常茶飯事」
そう言った。
「あー、否めない。だけど、一度……ちゃんと……話して下さい」
「ああ。その、つもりだ」
「暑いですね、今日」
確かに、五月に入って急に暑くなった。汗を拭こうと、ハンカチを探している。なかなか見当たらない様子に
「貸そうか?」
「いや、湊に返して貰ったやつ……入れっぱなしだったはず。あ、あった」
そう言って、ビニールに入ったハンカチを取り出した。
「あいつ、泣き虫でしょ? すぐ泣くくせにハンカチ持って来ないんですよねー。かれこれ4枚くらい貸したんじゃないか。あ、あの日ね。これ返して貰うのに……ここの前で……」
俺と出会った日か。
……泣き虫?
「見たことないけど。泣いてるの」
いや……でもこの前……何かが引っ掛かった。
「えー……ああ、そこでも……」
そこ?
「いや、あなたといて泣くことなんてないでしょ」
「笑ってるよ、ずっと」
「惚気ですか? 」
そう言った彼の顔が遠く感じた。俺が一緒にいる湊は……一体。
言いたいことを言って、躊躇することなく笑って、泣き虫な……そんな湊を、俺は知らない。