テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
Yuki
1,448
#ご本人様には関係ありません
ゆーふぉくん
19,671
久しぶりにお邪魔している勇斗の家。
着いて早々に積雪の片付けを手伝わされたことは今も納得いっていない。
人呼ぶんなら片付けておけっての。
次にある大きめの仕事の内容を詰めておきたい、という事でメンバーで集まろうとなった。
蓋を開けてみれば全くスケジュールが合わず、俺とコイツの2人だった訳だか。
あーでもない、こーでもないって理想と現実を交えた話し合いは楽しい。
俺たちも、観てくれるみんなも楽しくて嬉しくて、このまま終わらないでって感じるあの時間が大好きだ。
ぐうぅぅー…
「「…。」」
「ぶはっ!すげぇ音!めちゃくちゃ響いたぞ。」
「…腹減った…。」
それ以上は何も言わず、コイツは俺の顔を見て笑顔ですっ…、と両手を合わせる。
あ、作れって?俺に?お前ん家なのにね?
はいはい、わかりましたよー。
「ってか食材なんかあんの?」
とりあえずキッチンに立って、家主に尋ねる。
「つい最近家族がこっち来た時飯作ってくれたから、その余りがあったと思うけどなぁ。」
「ふーん。」
ばこん、許可も遠慮も無く勝手に冷蔵庫を開けて、中身を拝見。
卵、青ネギ、これは…ひき肉だな。
ふんふん、なるほどねぇ…。
「すぐ食える米ってある?」
「レンチンのパックのやつがある。」
おっけー。メニュー決まり。
ぱぱっと作ってやるよ。
「米、レンチンしといて。」
「ん。何パック?」
「3パックありゃいいんじゃね?」
「へーい。」
米あっためるくらいやらせないとな。
コイツんちなんだし。
勝手知ったるでフライパンを取り出し、ごま油をひく。
火にかけてひき肉を入れて、チューブの生姜とニンニクを少しずつ。
パチンパチン、と油を弾きながらすぐに火が通っていくから時間勝負だ。
その横でまな板と包丁を取り出し、ネギをパパッと小口切りに切ってスタンバイさせておいて。
卵は2つ、軽量カップに割り入れて溶いて、と。
「仁人ー、米できたよん。」
素手でレンチンした米3パックを持っている。え、お前ヤバ、熱くねぇの?
「おぉ、…まじか。」
手がでかいと熱の放出も早いから熱くねぇのかな?んな訳ないか。
フライパンに卵を流し入れ、フチからぷつぷつ色が変わってきたら米を入れる。
ちょっと米多かったわ…重てぇ。
卵と、ひき肉から出た油を米に絡ませるように手早く混ぜる。
味付けは顆粒の鶏がらスープと塩胡椒。そう言えば鶏がらスープの賞味期限は確認しなかった。
まぁ…たぶんいけるだろ。
一応冷蔵庫に入っていたし。
まな板でいい子にして待っていたネギもお仲間に入れてやる。
仕上げに醤油をぐるっと回しかけると、一瞬で熱されてじゅわぁっ、という音ともに食欲をそそる香りが湧き立つ。
「あー!くっそ良い匂い。まじで腹減った!」
リビングでテーブルを拭いたりコップを準備していたコイツが声をあげている。
分かるよー、醤油のこの香ばしい匂いってめちゃくちゃ食欲刺激してくるんだもんな。
食い盛りのガキみたいだな。なんて思ってくすり、と笑みが出る。
はい、これでひき肉炒飯の出来上がり。
かたっ、かたっ、と皿を置いて。
レンゲはなかったから普通のスプーンで。
「いただきまーす!」
「いただきます。」
んあっ、
ごくっ。
「はい、最高。」
一度スプーンを置き、うんうん、と頷きながら大袈裟に拍手を送ってくる。
なんだその舞台観てブラボー的な拍手のおくり方は。
「いやぁ、ホント美ん味い。あんがとね仁ちゃん。」
「次はお前作れよ?」
「任せろ。最高の佐野飯振る舞ってやるよ。」
「いや、あれは飯じゃなくて芸だろ?ちゃんと食えるもん作れ。」
「ひっど!」
軽口を叩き合いながら食べ進める。
お互い遠慮も配慮もなく過ごせるこの空間は本当に楽だ。
こうやって素の自分を出せて、それを何事もなく当たり前に受け入れてもらえるって、大事だろ。
もちろん、お互いに。
「さっき冷蔵庫にあった瓶のぶどうジュース美味そうだったな。後でもらうわ。」
「お前…目ざといな。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!