テラーノベル
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私の初の任務は、病弱な男の神への勧誘でした。私と同い年で、神になるには十分な年齢でしたが。彼には、少し欠点がありました。
「余命半年です」
主治医に言われた言葉にはっと目を丸くする。そしてその後すぐ冷静になり
「……わかりました……」
と病弱な男は言う。でも多分、どこか思うところはあるのだろう。病室に戻る途中。病弱な男は
「余命……か……」
なんてつぶやくものだから、私は仕方なく声をかけることにした。きっと彼は驚くだろう。私は空を飛んでいるのだから。これは私の能力「自由奔放」の「自由」というスキルを使ったから。
「なんかあんたつまんないね」
と言うと病弱な男ははっと声のする方を見た、耳はいいようだ。
「……誰」
といかにも嫌そうな顔をしている。人間不信でも混ざっているのだろうか???私は急にどうでも良くなり、この任務を放棄しようと思った。そして後ろを向いて
「人生最後なんだから楽しみなよ」
と言うと私は「自由奔放」の「さよなら」を使って 去ろうとしていた。しかし
「楽しめないよ」
というものだ。こいつもきっと辛い思いをしてきたんだ。雨樹《時期邪神王》が選ぶ程の……
「そっかぁ……」
と私が言うと、また嫌そうな顔で
「何あんた、冷やかし?」
と冷たそうに言う。どうやら余命宣告で心が大分やられているようだ。まぁ、無理もないとは思う
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