※kidがngoに恋する話
※そういうシーンは一切ありません
※シリアス(人によってはしんどいかも…?)
※流血表現
苦手な人は自衛お願いします🙇♀️
【第3話】
また、夢を見た
でも、今までとは明らかに違う
モノクロだった世界に、そこら中に飛び散った鮮やかな赤が、憎たらしいほど映えていた
僕は地面に正座座りをしていた
膝に嫌な重みを感じて、下を向いた
「ッ……!!?」
「なに……これ……ッ」
膝には、好きな人が横たわっていた
お腹やら腕やらから、鮮血が静かに流れ出している
そして、火が紙を溶かしていくように、僕の服をじわじわと赤黒く染め上げていく
「いや…!!」
気を抜けば直ぐに飲み込まれてしまいそうな恐怖に何とか抗い、微かな希望を抱いて、声をかけた
「景っ…!!!起きて…!」
首をだらんと垂らし、かつて輝いていた瞳は真っ黒に染まっていた
「そんな……ッ……!!」
叫んだ
「景!!!!」
信じたくなくて
「そんな………ッ……」
「っ゛……ぅ゛……、っっ」
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「……っはっ!!!!!」
また夢……!!
でも……やっぱり今までと違う………
夢なのに、やけに鮮明に覚えてる…
鼻につく鉄の匂い…皮膚に染みついた独特の生温かさ…指の間に残るドロドロとした感触…
僕の五感が、生々しいそれらをはっきり捉えたようだった
まるでさっきまでその場にいたみたいに……
嫌な予感がする…
「気の所為…だよね…」
「今回の任務、かなり大変そうだね」
「まー俺がいるし、大丈夫だろ!」
「あんまり調子に乗らないでよね、景くんすぐ自分のこと考えずに他の人のとこ助けに行って、危ない目にあうんだから……」
「だいじょぶ、だいじょぶ!それに、俺がやられても2人がすぐ回復してくれんだろっ!」
「何でもかんでも治せる訳じゃないってば……」
「ふー…まあまあ手こずったね……」
「だね〜、負傷者は多いけど、みんな命に別状は無いみたいで良かった……」
「あれ……景は……?」
「確かに、そろそろ戻ってきてもいい頃だけどな……」
「甲斐田さんっ!弦月さんっ!…」
「長尾隊長が、…っ!」
「!!」
「こっちです…っ!!」
「……っ!!」
「……っ景くん!!」
そこには、服がボロボロに裂け、大量の血を流している景が倒れていた
「かなり危ない状態です…、私たちではもうこれ以上は…直ちに処置をお願いします…!」
「分かった、今すぐ回復を…!」
「神よ……、」
これ………
景の出血箇所………
夢とそっくりだ………
まさか…正夢だった…?
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ…!
まだ一緒にいたい……!一緒に任務いって、一緒にご飯食べて、一緒に寝て…
一緒に笑いたい、……!
もっと、……景と一緒に過ごしたい…!!
「っ…!!!藤士郎!!!」
「僕の力も使って!」
「晴くん…っ!」
「絶対に助けるよ!!!!」
【正夢になんて、させない】
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