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FORSAKEN神殿の回廊。
静まり返った廊下の隅で、猫の獣人Mowlは思わず足を止めた。
黒いハチワレの左目につけた金のモノクル(片眼鏡)を押し上げる。
胸の黄色いリボンを正し、
茶色のマントをサッと払うと、
紳士的な足取りで歩み寄った。
そこにいたのは、スペクター様に仕える同じ配下であり、殺し合いのフィールドで猛威を振るうキラー。
ウェアウルフだった。
黒い毛並みに覆われた巨体、
白い服に黒いマントを羽織り、
右目の黒い眼帯と、
鋭く光る左の赤い瞳。
圧倒的な威圧感を放つ狼の獣人である。
しかし、今の彼は少々様子がおかしかった。
戦闘を終えたばかりなのか、
自身の毛並みを整えようと大きな舌で前脚や胸元を舐めているのだが……
大雑把で不器用な性格が災いし、
舐めれば舐めるほど黒い毛並みが変な方向へと跳ねて、
余計にぐしゃぐしゃになっていたのだ。
「……コホン。ウルフ殿、大変差し出がましいようではございますが」
Mowlは深々と一礼する。
「毛並みが少々乱れておられますよ。」
「私めが……少し整えて差し上げましょうか? 」
ウェアウルフは左の赤い目をギロリと向け、低く唸るような声を出した。
「チッ……この毛がまとまらねぇんだよ。……好きにしろ」
「では、失礼して」
Mowlはウェアウルフの前に腰を下ろした。
手慣れた動作で肉球を使い、
ウェアウルフの頭部から首元にかけての黒い毛並みを、
優しく撫でつけるように整え始めた。
サッ。サッ。
毛並みの流れに沿って毛繕いをしてやる。
ウェアウルフは最初は警戒していたが、
Mowlの丁寧な指遣いに次第に気持ちよさそうに「ふぅ……」と熱い息を吐き出した。
「よし……これで完璧でございます。ウルフ殿の漆黒の毛並み、実にお見事に——」
満足気に手を離そうとしたMowl。
だが、その前脚が、ウェアウルフの大きく力強い手によって「ガシッ」と掴まれた。
「な、なんでしょう……?」
「……お前、手慣れてんな。気味が悪いほど丁寧だ」
「はあ……紳士として身だしなみを整えるのは当然の嗜みであり——」
「じゃあ……今度は俺が『お返し』をしてやるよ」
「……え?」
言うやいなや、ウェアウルフの巨体がMowlの上へと覆いかぶさった。
逃げる間もなかった。
Mowlは壁とウェアウルフの太い腕の間に挟み込まれ、小柄な身体が完全に押し潰される。
「う、ウルフ殿!? 何を——」
ジュルッ……。
「っ!?」
ウェアウルフの熱く大きな舌が、
Mowlの黒ハチワレ猫頭の耳の裏から、顎、そして喉元に向かって、
一気にズリッと舐め上げられる。
肉食獣特有のザラリとした舌の感触。
ウェアウルフの唾液が、
Mowlの完璧に整えられていた毛並みを濡らし、乱していく。
「お、おやめください……っ! 私めの毛並みが……っ! 唾液で濡れて……っ!」
「遠慮するなよ。整えてもらった礼だ。」
「私めは手で整えただけでございます……っ! 舌でそのような……っ!」
ウェアウルフは聞く耳を持たなかった。
服の隙間の無防備な毛並みへと、何度も、何度も舌を這わせていく。
レロッ……ジュプッ……。
ゆ(旧「ゆゆゆゆ」)
2,960
#specter
ゆ(旧「ゆゆゆゆ」)
900
#azure
ゆ(旧「ゆゆゆゆ」)
422
「あ……っ!」
毛並みを根元から逆撫でされ、乱される。
理性を削り取られる感覚。
だ、ダメだ……。
私めは紳士……。
このような破廉恥な行為に……、
流されては……っ!
必死に理性を保とうと、胸の黄色いリボンを前脚で強く握りしめるMowl。
だが、ウェアウルフの舌が、一番敏感な「顎の下のつむじ」をピンポイントで舐め上げた瞬間——
ゴロゴロゴロゴロ………………っ♡
Mowlの喉の奥から、隠しきれない喉鳴りが響き渡った。
「……ほう。気持ちいいんじゃねえか、Mowl」
ウェアウルフが左の赤い目を細め、笑みを浮かべる。
「ち、違っ……これは生物学的な反射で……っ! 」
「嘘つけ。身体が歓んでんだよ。こんなに濡らされてさ」
再び、ズリュッと耳の根元を舐め上げられる。
「にゃっ…!」
Mowlの茶色のマントは乱れ、愛用のモノクルはぽろりと外れて胸元にぶら下がった。
ウェアウルフの黒い毛並みだけが、ぼんやりとした視界に満ちる。
立ちこめる、オス獣の匂い。
「ぁ……っ」
ゴロゴロ……っ♡
「ウルフ……殿……っ」
「もう、毛並みが……っ!」
紳士的な口調を保つことすら限界だった。
喉の振動は止まらず、理性が溶け出していく。
Mowlは無意識のうちにウルフの白い服の胸元を、
柔らかい肉球でギュッと掴み返していた。
自分を舐め回す粗暴な狼の舌に、 Mowlはただ喉を鳴らしながら、身を委ねていくしかなかった。