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FORSAKENのフィールド巡回を無事に終え、自室へと戻ったMowl。
その手の皿には、本日一番の戦利品。
「生存者たちの諦め顔が素晴らしかった」と、
スペクター様からご褒美として賜った、
人間界の最高級ブランド鶏使用の
「極上蒸しササミ」。
Mowlは胸の黄色いリボンを正し、
小さく手を合わせた。
「……ふふ。これぞ紳士に許された至高の逸品。丁寧に割いて、ゆっくりと味わうといたしましょう……」
前脚の爪を丁寧に引っこめ、一口目を口へ運ぼうとした、その瞬間だった。
ガシッ!
「!?」
横から伸びてきたのは、黒い毛並みに覆われたウルフの手だった。
皿の上から一番大きいササミの塊が消え去る。
「……あ」
Mowlの左目が細められた。
ゆっくりと振り向くと、そこには手にササミをぶら下げ、ニヤニヤと笑うウェアウルフの姿。
「美味そうなもん食ってんな、Mowl」
「……ウルフ殿。」
「戯れにも程がございます。それは私めの大切な、スペクター様からの頂戴品…。」
「速やかにお返し下さい!」
Mowlは怒りのあまり耳を伏せ、毛を逆立てた。
シャアア!
猫の本能が「獲物を奪われた」と激しい警戒アラートを鳴らしている。
だが、ウルフはその抗議を意に介するどころか、さらに凶悪な笑みを深めた。
ウルフは横取りしたササミを、自身の鋭い犬歯が覗く口元へとヒョイとくわえ直したのだ。
ササミの半分はウルフの口内に挟まれ、もう半分が外へと飛び出している状態である。
「返して欲しけりゃ…」
ウルフが低い声で舌を鳴らす。
「自分の口で直接取りに来い」
「なっ……! 」
「口移しで取れと……っ!? 」
「嫌ならこのまま俺が全部呑み込んじまうが? ほーら、ゴクンといっちゃうぞ〜」
ウルフが喉を鳴らしてみせる。
「くっ……! 卑劣な……っ! 」
Mowlの脳内で、プライドとササミへの情熱が激しく衝突した。
(紳士がそのような淫らな真似を……!)
理性が叫ぶ。
しかし、甘いササミの匂いと、目の前で煽ってくるウルフの雄獣の体臭が、Mowlの理性を打ち砕いた。
「……っ、後悔なさいますなよ……っ!」
Mowlはウルフの白い服の胸元へ跳びかかった。
小柄な身体をウルフの太い腕が抱き止める。
「んむ……ッ!」
Mowlの猫口が、ウルフの口にくわえられたササミへと重なった。
ササミを歯で削り取ろうと、必死に食らいつく。
しかし、ウルフがただ素直に奪わせるはずもなかった。
チュプッ……!
「ッ!?」
Mowlがササミを噛み取った瞬間、ウルフの大きな舌が口内から飛び出し、ササミごとMowlの舌先を強引に巻き込んだ。
「んんぅっ……!? 」
「へっ……横取り成功だ」
ササミの肉汁の味と、ウルフのザラついた舌の感触が一気にMowlの口内を満たす。
ウルフはMowlの後頭部を太い手でしっかりと固定し、逃がさないように深く、口づけを交わし始めた。
ササミは二人の口内で押し潰され、味を確かめ合うように互いの舌で舐め取られていく。
ジュプ……ッ、チュチュッ……。
「あッ……んにゃぁっ……! 舌が、奥まで……、むっ、にゃあぁっ……!」
ペロ…、レロ…。
ササミを奪還するはずが、気づけば完全にウルフに口内を開拓され、舐め回されていた。
ウルフの肉食獣特有の強い唾液とササミの味が混ざり合い、Mowlの脳内を甘い痺れが突き抜ける。
「んむ……ッ! にゃうっ……♡」
ゴロ…ゴロゴロゴロ…。
Mowlの喉奥から耐え切れない音が漏れ出す。
「ハハッ、ササミより俺の舌の方が美味いんじゃねえか?」
「ち……違っ……!……にゃあぁっ……♡」
ウルフは口内に残ったササミの最後のひと欠片を、Mowlの舌の奥へと深く押し込むようにして口付けを深めた。
「はぁっ…♡、にゃ、う……」
ササミは無事に(?)Mowlの胃袋へと収まった。
代わりにウルフの唾液でドロドロに乱され、愛用のモノクルは明後日の方向へと完全にズレ落ちていたのだった。