春「んあ〜」
風が治り気分のいい俺…いや私こと澄川春は学校に向かっていた。
三「久々だね、一緒に投稿するの」
古風はそんなこと言ってるがせいぜい3日ぶりだ。
春「そうだね」
軽く流し歩みを進める。
光り輝く太陽の下右耳が騒がしい。
私はそんな日常に満足していた。
春「よいしょ」
席が変わり右列の左側の席に荷物を置いた。
「おはよう」
右耳から聞こえてきた声の主は黒下一成。
春「おはよう」
私はそう返事した。
特に接点はないが席替えで隣になったのだ。
私の存在に馴染んだクラスメイトがいて安心した。
そんな浅はかな事を考えながらぼーっと目の前を見ていた。
女の子になった自分の未来図を描く訳でもなくただただ目の前を見ていた。
昼休みになり古風と共に昼食を食べに行く。
春「今日どこで食べる?」
三「どこでもいいよ〜あ、外のベンチがいい!」
春「分かった」
外に行くため廊下を歩いていると「ポン」っと肩を叩かれた。
春「ん?」
後ろを振り向くと一成がいた。
一「ほ、放課後って空いてる?」
あどけなく聞いてくる。
春「ん、空いてるよ」
一「じゃあ、3棟の裏に来てくれない?」
春「あ、分かった」
なんのために呼び出すか分からないが何も予定が無かったので約束した。
三「もしかして告白じゃない?青春〜」
春「ち、違うって」
からかってくる古風に顔を赤くしながらも返答する。
春「私は元男だし、告白されても嫌だよ、相手もわかってるだろうし…そもそも喋ったことも少ないしさ」
三「そっか〜、あ、喋り方直してるじゃん!」
すぐに話を変える古風に付き添いながらベンチに向かった。
春「えーっと、3棟の裏だからここかな?」
放課後になり太陽も沈みかけの頃、約束通りの場所に来ていた。
一「あ、春ちゃん」
春「ちゃん?少し呼び慣れないな〜」
笑いながら一成に近づく。
少し顔をあげる程度に近寄ってそうそうに話しかけた。
春「それで、話って何?」
その質問をした瞬間一成が顔を赤めた。
一「あ、あの、元男ってことも分かってるし、複雑かもしれないけど…もし良ければ俺と付き合ってください!」
春「え?」
咄嗟に声が出た。
まさか古風の言ってたことが本当になるとは。
春「あの〜、一成君ってなんというか、男の子が好きなの?」
一「いや、違う、顔も可愛くて女になった瞬間好きになったんだ!」
本気で叫ぶ一成に少し恥ずかしくなった。
春「…ごめん、私は今は女の子だけど心はまだ男だし恋愛感情はわかないかな…」
直球に断った。
一「そっか…残念だな…」
春「じゃあ、また友達としてよろしくね」
私はそう言い残しその場を去った。
朝、教室に入り椅子に座る。
昨日のこともあってか少し気まずく感じる。
一「おはよう!」
彼は気にしてないようだ。
春「お、おはよう」
一「昨日の番組見た?あれさ〜」
いつもより明るく話す。
私は受け流すがそれでも彼は話すのをやめない。
(距離も近いような…)
春「ご、ごめん少しお手洗い行ってくるね…」
一「はーい」
とりあえずその場から離れた。
今日一日中会う度に話しかけてきた。
正直気持ち悪かった。
話しかける度に体に触ってきたり、男の頃は大丈夫だったかもだけど今は女だから普通に嫌だ。
春「ねぇ、古風〜今日一日中一成くんが話しかけてきたんだけど〜」
三「んまぁ、彼なりに振られたから何とか振り向かせようとしてるんじゃない?」
春「なるほど〜恋愛したことないから分からないな」
そんな話をしていると。
一「あ、春ちゃん!帰り一緒なんだ」
「ビクッ」
さすがにびっくりした、というか体が拒否した。
春「一成…くん…こっち方面だっけ?」
少し震えた声で質問する。
一「あ〜まぁなんとなくかな」
春(これがストーカーってやつ?)
近くに古風がいるから安心するものの少し怖い。
一「この前の部活でさ〜」
当たり前のように体にふれてきて気持ち悪い。
そんな私を察知したのか。
三「女の子に触れるのは気持ち悪いよ、やめな、後春に近寄るのもやめてね本人嫌がってるから」
バシッと言ってくれた。
一「は?」
しかし一成の逆鱗に触れたのか顔が恐ろしくなっていた。
三「逃げるよ春」
古風か私の手を引き家に向かう。
しかし一成は部活にも所属してるし男だから足が早い。
三「こっち!人通りに行けば何とかなるはず!」
急いで群衆に混じり逃げた。
春「はぁはぁ、」
三「大丈夫?」
息切れた私を心配する余裕のある古風は流石だ。
三「てか、あれヤバくない?何とかしないと」
春「そうだけど…」
三「とりあえず、明日の様子を見て何とかしようか」
春「う、うん」
私は疲れた体を癒すために早々に寝た。
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