テラーノベル
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#溺愛
桜咲かな
174
18
#先生
なべたろう
179
#3..嫉妬
〔ところで、まだ電車来ないの?〕
次の話題を遮り、一ノ瀬が聞いてくる
【そろそろ来るはずなんだけどね~、】
どうやら少し遅延してしまっているらしい
ピコンッ
スマホの通知音
【あ!友達が迎えに来てくれるみたいw】
〔え?それ男?女?〕
【男の子だよ】
どうしてそんなことを聞いてくるのかわからないが、折角迎えに来ると言ってくれたので、即刻お願い!と返信をした
〔は?嫌なんだけど、〕
【え?】
〔まだ奏と会ったこともないのに、ずるい〕
これはもしや…、と思い聞いてみる
【もしかして、嫉妬してる、?】
〔…そうっていったら?〕
そう言う一ノ瀬は、駄々をこねている子供のように見える
画面の先でどんな顔をしているのだろう
拗ねているのか、はたまた怒っているのか
そんなことは容易には想像できないが、少し嬉しくなった
【ごめん、でも大丈夫だよ】
【だって男同士だよ?】
また嘘をついた
真実を言えたらよかったのに
言ってしまったらどうなるか、わかっているから
〔じゃあ、何かあったらすぐに言って〕
諦めたようにそう言ってくる
【わかったよ】
そう返信したところで、榎本がホームに顔を出す
〈よっ、電車乗り過ごしたんだって?w〉
「そうなんだよ~、w」
〈はっ、間抜けだなw〉
「うっさい!」
と、榎本のスネを蹴る
〈いっってぇっっ…、〉
〈おい!もう連れて行かないぞ!?〉
「すみません、連れてってください」
態度がころころと変わる
〈はぁぁ、まあいいけどよ〉
〈ん、〉
「?」
そう言う榎本が手を差し出してきた
「なに?」
〈手、握っとけよ〉
〈もう暗いんだ、段差も目が悪いお前は見えねぇだろ〉
「は?見えますけど!!」
「…まあ、今日くらいはあんたの言うとおりにしてみるよ」
なんの恥じらいもなく手を取った
そのまま榎本の親が乗ってきた車に乗せてもらい、家まで送ってもらった
家についたらすぐにご飯を食べ、寝る時間になってしまった
その時間まで一ノ瀬のことをほおっておいたつもりはないが、かなり時間が経ってしまっていた
〔奏?大丈夫?〕
通知件数が多くなっていた
【大丈夫だよ】
【遅れてごめんね】
そう送るとすぐに返信が返ってきた
〔大丈夫、よかった〕
遅い時間だったのですぐに寝たが、今日の一ノ瀬を忘れることはできなかった
#4..転生
〔嫉妬です、〕
今朝アプリを開けたときに一番に目に入った言葉だった
今日は休日
朝寝坊が多くなっていたからか、数時間前にそのメッセージが送られていた
【どうしたの?】
【おれなんかした、?】
こんな事を言ってくるのは嬉しいが、私が何かしたなら謝りたい
〔…ないしょ、〕
そう言う一ノ瀬はなんだか悲しそう
【えならおれも、嫉妬したことある】
一ノ瀬が言いやすいように、私も今まで言えなかった嫉妬したことを言う決意をする
〔なに、?〕
【一ノ瀬に恋仲さんがいることに嫉妬してる、】
言いたくても言えなかった
こればかりはどうしようもなかったから
〔え…?〕
〔俺と同じじゃん、〕
【え、?】
まさかの一致に驚く
【え、同じって、一ノ瀬もおれに恋仲がいることに嫉妬してたの、?】
わかってはいるが、信じられなくて聞き返す
うん、と、返信をしてくる
【そうだったんだ…】
〔うん、〕
【じゃあ、さ、おれ転生しようかな】
この時の私は、もう既に一度転生をしていて、樂という名前で行っていた
だからすぐに転生するということは少し気が引けたが、それでも叶えてあげたいと思った
〔ぇ、いいの、?〕
【うん、いいから言ってるよ】
〔じゃあ、俺も転生する〕
〔そしたら、恋仲になってくれますか、?〕
突然のプロポーズにリアルで驚いてしまう
私の答えは、【もちろん】、ただ1つだった
そう決めた後からは行動が早かった
まず、自分の性別が本当は女だということを伝えた
そして先に一ノ瀬が転生をし、蒼音と言う名で始めた
数日後_
【蒼音!】
【次の名前決まってないんだけど、決めてくれないかな?】
〔え、いいの?〕
正直、名前の案がもう無いことが理由だが、本音は蒼音が付けてくれた名前で過ごしたかったからだ
蒼音はすらすらといくつか候補を挙げてくれた
その中から私は一つの名前に強く惹かれた
【怜音いいね!】
〔えいいよね?〕
これを選んだ理由は特にないが、もともとかっこいい女性に憧れていたからこれにした
蒼音がこの名前を候補に上げてくれた理由も知らないまま、私は転生をした
転生してすぐに、蒼音から連絡があった
〔さっきの話だけど、〕
〔俺、監視癖つよいし、嫉妬魔だし、愛重いけど、こんな俺でも恋仲になってくれますか、?〕
画面越しの私は何故か微笑ましくなり、
【そんなの知ってるよ、それでも貴方がいいの】
ある漫画の1ページのように答える
そうだ、これは人生の1ページにも満たない出来事
だからこそ今を大切に、この人といたいと切実に思った
【あ、あお!今日の空も星が綺麗だよ!】
転生してから数日後の深夜
何事もなかったかのようにまたいつもの日々を過ごしていた
毎朝おはようと言い合い
いってきますや、おかえり
寝るときはおやすみと言う
なんでもないこの時間が私にとっては特別なものに変わっていた
〔本当だ!〕
今日の星々も、街の家々の光に負けないくらい強く、美しく光り輝いていた
【あお、私今が幸せだよ】
〔急にどうしたの?〕
本当にその通りだ
だが何故か急に言いたくなった
だから一方通行でも言わせてほしい
【愛してるよ】
これは私の本当の気持ち
もう嘘なんかない
返事はなくともこの気持ちが美しい空を渡り、届いていたら嬉しい
次回➸#5
変更点
始めの時【】⇢樂(がく)
【】⇢怜音(れのん)
↓恋仲↑
〔〕⇢蒼音(あおと)
※忘れている部分もあるので、現実とは少し異なります
コメント
23件
初々しい、、
#3 と #4、一気に読ませていただきました。 嫉妬から始まった“転生”という選択、そして「恋仲になってくれますか?」の流れ——最初のやり取りからここに至るまで、ものすごく自然な感情の積み重ねを感じました。特に「恋仲がいることに嫉妬してる」というお互いの告白が重なる瞬間、胸が熱くなりました。 性別を伝えるシーンも、あっさりしているのに核心を突いていて。そして最後の「愛してるよ」、返事がなくても空を渡って届いてほしい——という温度感が、とても優しくて切なくて。 二人の関係性がゲーム内の“転生”を経てどう変わっていくのか、すごく気になります。次回も楽しみにしています。