テラーノベル
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#溺愛
桜咲かな
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18
#先生
なべたろう
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#5..本当
何気ない日々が現実世界の用事のせいで怒涛の日々に変わっていく頃
私は一人生徒会の仕事をこなしていた
「はあぁぁぁ……」
体が重たく、帰りたいが帰れない程だった
周りの先輩も殆ど居残って作業しているため、1年の私がこの場を出ていくには忍びなかった
だから休憩も兼ねて、スマホを開く
一番上の通知に30分前と書かれた蒼音からのメッセージがあった
いつもみたく、愛されていることがわかるような、言われているこちらが恥ずかしくなるような事を言ってくれているのかと思いきや
何故か重々しい雰囲気を漂わせていた
そんなメッセージを開くと、思いがけないことが書かれていた
〔今まで内緒にしてたことを言わなきゃって思いました〕
〔俺、持病持ちなんです〕
そう書かれた文面は寂しさを帯びて、画面越しの私に届いた
なんて返信するか悩むところ、そう長くは触っていられないので、一旦文面を考えつつ、鞄にスマホを戻した
やっとの思いで机の上の書類を片付け、駅へ向かう
帰りの電車
お気に入りの曲をループ再生
疲れた身体にはこれが染みる
17時40分
雲が翳り、橙色の明かりをを少しずつ隠し始める頃
太陽の光が朧気な瞳を照らす
上に上げた長いまつげに光が反射して、七色にみえる
朧気な瞳を擦り、先程の返信をする
【返信遅れてごめんね】
【そうだったんだ…、ちなみに何か聞いてもいい、?】
踏み込んだ質問だった
だが知らないわけにはいかなかった
〔心臓病だよ〕
それを聞いた時、電車の走る音しか聞こえなくなった
耳から聞こえているはずの音楽は止まり
帰宅ラッシュの学生の話し声は途絶え
車内アナウンスも消え失せた
生活習慣病の一種だということは知っていたが、他は詳しく知らない
ただ重い病気だということくらい
それを聞いた瞬間、”心臓病”と検索し始めた
そんな重苦しい空気の中最寄り駅へと到着したのだった
家について、話している内に新しい情報を耳にする
〔俺の本名は坂戸.涼太(さかど.りょうた)〕
このかっこいい名前が蒼音の本名らしい
教えてもらったからには私も教えなくてはと思い、伝える
私の秘密を話しても離れていかなかった蒼音
このときから、この人が何を言っても、何をしても、全て受け入れると心に決めた
#6..嘘
嫉妬や監視が渦巻く私たちの関係
現実世界ではあまりない関係性かもしれない
だが私は今のこの場所が大好きだ
今日のような休日の日ですら蒼音のことを考えてしまう
この気持ちに名前をつけることはできないが、今はとても仲の良い友達としておこう
こればかりは口にできない内緒事だ
正直、自分ですらよくわからないことが多い
いつかこの気持ちがなんなのかわかる日が来るのかもしれないと、期待を抱く
だがそんな平穏な日常は長くは続かなかった
〚好き♡〛
(は、??)
蒼音に告白している男がいた
監視して、見つけてしまった
別にこれが見たかったわけじゃない
なのにどうして今日だけ、こんなものを見つけてしまったんだろう
これなら知らないほうが良かった
告白の返事は見れなかったから本人に聞いてみるしかなかった
【あの、さっき他の奴に告白されてたけど、どうなったの、?】
端から見たら恐怖だろう
知らないはずの出来事を私が知っているのだ
気持ち悪いとも思うかもしれない
それでも許してほしい
〔あー、みちゃった、?w〕
【うん、】
見られたくなかったのか、といつもは気にしないようなことまで気にしてしまう
〔大丈夫だよ、断ったから〕
もしかしたら取られてしまうかもしれないという恐怖と、嫉妬心が頭の中を駆け巡る
【本当、?】
心配から聞き返す
〔ほんと〕
それでもこの時の私は何故かこの言葉が信じられなかった
だからまた監視をしてしまった
今までならばこんなことは起きなかったと断言できるだろう
いわば、今まで通常通りに動いていた機械に追加された器具が邪魔をしているかのように
私の心を乱す
数分経って、また聞き返す
【ねぇ、ほんとに嘘ついてない、?】
しつこいと思われるかもしれない
それでも嘘をついていないという確証が欲しかった
〔うん、大丈夫だよ〕
ぷつんと、何かが切れたような音がした
【そっか、そっか、w】
【蒼音、嘘ついてない、?】
〔え、?〕
当然の反応だ
だが言わせてほしい
【…見ちゃって、付き合ったって、見たけど】
【あれは嘘、?私に嘘ついた、?】
現実で涙がぼろぼろと流れる
悔しかった
取られた気がしたから
私達の日常が壊れていく音がしたから
嘘をつれたことが嫌だったから
〔…ごめん、〕
〔言えなかった、この関係が崩れるのが怖くて言えなかった、〕
蒼音の言うことも一理ある
たしかに人によっては嫌になって関係性が崩れるかもしれない
だが私はそうじゃない
これっぽっちのことで離れるなんて薄情なやつじゃない
それに私には彼氏がいた
お互い様じゃないか
そう思っているのに、何故か心の中で引っかかる
〔ごめんなさい、〕
【なんであおが謝るの、?】
【大丈夫だから、ただ、嘘をつかれたことが嫌だっただけ、】
【付き合うことに関しては口を出す気はないよ】
そう言っても蒼音は謝るのをやめない
そんなに言わないでほしい
君は悪くないじゃないか
なんでも謝る癖をどうにかしてほしい
〔でも、俺が、〕
【大丈夫だから、!今日はもうねよ、?】
夜も遅かったのでそう提案した
〔…わかった、〕
スマホの電源を切り、ベッドに寝転ぶ
薄暗い天井を見上げる
「っ…、」
なぜか突然涙が溢れてきた
理由はない
ただ、喪失感が襲いかかってきた
思い出は心の中にあるのに、蒼音はもう自分だけのものではない
それがとても悲しくて
辛くて
受け止めきれてない自分だけが置き去りに
無理に気にしないようにしようという気持ちが先に進む
泣きじゃくる私はそのまま30分程泣いていた
やはり理由などない
理由があればここまで泣いていない
嫌だと言えたらよかった
本音を言えたらよかった
自分だけのものでいてほしいと、心から言えればよかった
そんなもの叶うはずもないのに
次回➸#7
コメント
21件
もう#5と#6一気読みしたんだけど、情緒やばすぎる😭💦 蒼音くんの持病の告白、めっちゃ重いのに「受け入れる」って決めた主人公の強さが眩しかった…! なのに#6で嘘つかれて、しかも監視しちゃう自分との葛藤が切なすぎるよ〜「自分だけのものじゃない」って涙するシーン、胸がギュッてなった🥺 次回どうなるか気になって夜しか眠れないんだけど!!