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出会ってから三年経った、今日も私はおにいさんに会いに来ていた。「おにいさん!今日は何して遊ぶ?」
「瑠衣ちゃん!今日も元気だね。」
おにいさんが頭を撫でてくれる。私はおにいさんの手が好きだ。
「えへへーおにいさんの手あったかくて好きだなー。」
「……そう?」
おにいさんの耳が少し赤い。風邪ひいたのかなー?
「……!?」
「おにいさん?何かあったの?怖いお顔してるよ?」
おにいさんが突然怖い顔をして私を庇うように前に出た
「瑠衣ちゃん、目を瞑っててもらえる?」
「え?うん……」
何があったの……?なんだか息苦しい……
「我が家名『逕イ譁千伐』の名の下、妖魔沈水の法を。水、静、流、泉……禍!」
おにい、さん?何か、一部が聞こえなかった……
「おにい、さん、怖い顔……息苦しい……」
「瑠衣ちゃん、大丈夫だからね。ちょっと怖いものが出ただけだからね。僕が上着貸してあげるから寝ててもいいよ。」
ダメ、おにいさん一人にしたら、居なくなっちゃう……
「居なくならないよ、安心してね。」
「おに、さ……」
「おやすみ瑠衣ちゃん。」
ここはどこ?なんだか暗い。
「おにいさん?おにいさん?」
居ない……誰もいない
「誰か、誰かいないの?ねえ……」
なんで誰もいないの?どうして?助けて、助けておにいさん……
「……ちゃん……いちゃん……瑠衣ちゃん!」
「っ!?」
ここ、は?
「起きた?僕が誰か分かる?」
「おにいさん……おにいさん……!」
怖かった、もう二度と会えないかと思った……
「大丈夫だよ、瑠衣ちゃんに憑いてた悪いものは僕が祓ったからね。」
さっきから、何が起きてるの?
「おにいさん、今の何?」
「今のはね、妖魔って言うんだよ。」
「妖魔……?」
「瑠衣ちゃんには見せたくなかったんだけどね。」
「じゃあ、おにいさんが唱えてたのは?」
「誰にも言っちゃダメだよ?実は僕ね、魔法みたいなのが使えるんだ。」
魔法!?
「驚いてる顔してるね」
くすくすとおにいさんが笑う。その笑顔に見惚れてしまう。いつの間にかおにいさんの顔に手が伸びていた
「?どうしたの?瑠衣ちゃん。」
「おにいさんの顔、綺麗だなと思って。」
くすくすとまた笑う
「そう?ありがとう。」
それからおにいさんと出会ってから、いつの間にか五年が経過していた。私は中学生になった