日常国に来て、1ヶ月
それだけ経てば、ここでの生活は日常と化していた
a国なんかよりも、ずっと良い場所だ
けれど、何処か物足りない
それは、貴方が居ないから
「、、、会いたいなぁ」
ここが廊下だというのも忘れてた、ぽつりと口から言葉が出た
kr「誰にですか?」
まさか拾われるとは思ってもおらず、ビックリした
声をした方を見れば、クロノアさんがいた
気配が無くて、少しゾムさんと似ていると思った
彼もよく、気配を消して近づき脅かしてきた
kr「すみません、驚かせてしまって」
悪戯っぽく笑うその姿もまた、少しだけ重なって会いたいという想いが強くなった
しかし、それを言う訳にもいかないので、はぐらかす
「その、、、猫に会いたいなと思いまして」
この国は、猫が多い事で有名だ
それも、人懐っこいのだとか
kr「そうでしたか、良かったら猫カフェに行きますか?」
そう提案されて驚いた
この基地から出てもいいのだろうかと
「え?いいんですか?」
kr「勿論ですよ」
当たり前だと言うように返された
「、、、じゃあ、お願いします」
猫は好きなので、嬉しかった
咄嗟についた嘘だったが、会えるのならこれで良かったと思った
初めて町に来たが、とても賑やかだ
相変わらず笑顔で溢れており、改めてa国との差を感じた
kr「ここですよ」
そう言って彼が指し示したのは落ち着いた雰囲気のカフェ
中に入れば、猫がいっぱいいて天国の様だった
kr「先入っててください」
言われるがまま先に入った
クロノアさんは店員と喋っているようで、恐らく会計の話だろうと結論ずけた
奥に行けば、猫が近寄って来た
人懐っこいというのは本当の用で、足に頭を擦り付けて来る
ゴロゴロと喉を鳴らしている様子がとても可愛い
しゃがんで頭を撫でる
目を細め、堪能しているようで気持ち良さそうだった
暫く撫でているとクロノアさんが近づいてきた
そちらに目を向ければ猫が大量に寄っていて驚いた
そんなクロノアさんの手元には、玩具と猫のお菓子
kr「はい、ショッピさん」
お菓子を半分程と、玩具を1個渡された
どうやら使っていいらしい
「ありがとうございます」
さっき話していたのはこれかと納得しながら玩具、、、もとい、猫じゃらしを動かす
そうすれば、さっきまで撫でられていた猫が飛びついている
その様子もまた愛らしい
少し動かし続けていれば、もう1匹来た
2人で取り合っている様子もまた可愛く見とれてしまう
折角、お菓子も貰ったのだからあげてみようとお菓子を手に取る
手に出して、差し出してみた
すると、躊躇なく近寄って来て食べ始めた
手に感じる擽ったさと、猫の可愛さで、頭がいっぱいだった
もう1匹が食べれないようだったのでもう片方の手にもお菓子を乗せて差し出した
さっきの子と違い、控え目に食べている様子もまた可愛くて癒される
そんなこんなで、暫く経った頃
どうやら日が傾いてきたようで空はオレンジ色になっていた
kr「そろそろ帰りますか?」
猫達も何匹か眠ってしまった為、そろそろ頃合いだろう
「はい」
少し名残惜しく思うが、たっぷり堪能出来た
それだけで充分だ
店員「ありがとうございました、またのご利用お待ちしております」
先程クロノアさんと喋っていた店員がそう言った
この店員の髪は水色の髪で特徴的だと思った
そういえば、この国の人達の髪色は様々だった
a国では茶髪や黒髪が多かったのでそこでもまた差を感じた
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