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【熱い夜】
ベッドサイドの明かりが、柔らかく二人を包む。
視線が合った瞬間、亮さんがゆっくりと顔を近づけてくる。
「○○…」
名前を呼ばれるだけで、胸が熱くなる。
次の瞬間、唇がそっと触れ、温かな感触が伝わった。
最初は優しく、確かめるように。
でも、彼の手が頬を包んだ瞬間、熱が少しずつ深まっていく。
吐息が混ざり合い、時間の感覚がなくなる。
離れたくない。
そう思った瞬間、彼がさらに距離を詰め──甘くて、少し切ない感覚に心が溺れていった。
「……もう、離さないから」
耳元で囁かれ、鼓動がさらに速くなる。
唇が離れたのは、ほんの数秒だけ。
お互いの呼吸が荒くなっているのが分かる。
「……○○」
低く掠れた声が耳に落ちる。
「さっきから…ずっと我慢してた」
腰に回された腕の力が強くなり、背中ごと引き寄せられる。
胸の鼓動が触れ合うほど近くて、逃げ場がない。
彼の指先が髪をすくい、耳の後ろへそっと触れる。
その仕草ひとつで、全身が熱を帯びる。
「俺、もう…止まれそうにない」
吐息混じりの声が、首筋をかすめる。
視線が合った瞬間、再び唇が重なり、甘く深い感覚が押し寄せる。
時間が溶けていくみたいで、何も考えられない。
「○○……今夜は俺だけのものになれ」
その言葉に、小さく頷くことしかできなかった。
──気づけば、カーテンの隙間から朝の光が差し込んでいた。
まだ暖かい腕の中で、私はゆっくりと目を開ける。
「……おはよう」
掠れた声が耳に届く。
顔を上げると、眠そうな目をした亮さんが微笑んでいた。
「よく眠れた?」
「……うん、でもほとんど寝てないかも」
そう答えると、彼はくすっと笑う。
「そりゃそうだ。俺が離さなかったからな」
昨夜の熱がふっと蘇り、頬が赤くなる。
亮さんは私の髪を優しく撫で、真剣な表情になる。
「○○…これからも、ずっと俺のそばにいてくれ」
その声は、夜の囁きよりもずっと温かく、安心する響きだった。
「……うん。ずっと」
そう返すと、彼は満足そうに私を抱きしめ、額に軽く口づけた。
外の世界が動き出しても、この瞬間だけは二人だけの時間だった。