Dはゆっくりと手袋をはめた。黒いレザーで冷たい指先。
「……Kneel」
たったそれだけの言葉に、Wの身体がピクリと動く。
体育倉庫の床に片膝をつき、視線を逸らさず従うその姿は、すでに“支配”の中にあった。
「ちゃんと、俺を見て。……おまえは誰の?」
「……Dの、です」
「違うでしょ??“誰の”なに?」
「……Dの“sub”……です」
「よく言えました。じゃあ今から……“ごほうび”ね」
Dは指先でWの顎をつまみ、顔を持ち上げる。
そのまま、唇のすぐ手前で吐息だけを落とす。
「命令、守れるよね?」
「……はい」
「今から触れるけど、……絶対に声出すな。
ひと声でも漏らしたら、“ご褒美”取り消し」
Wの喉がごくりと鳴る。Dは口元を歪めた。
ゆっくり、Wの制服のボタンを外していく。
肌に触れる指は冷たく、なぞるように、支配を刻んでいく。
「この首輪も似合ってるけど……やっぱり、そういう顔させるのが一番好きだわ」
耳元に吐息がかかる。
Wの手が膝の上で震えるたび、Dの声が深くなる。
「痛いのがほしい? 優しいのがほしい?
……それとも、“どっちも”がいい?」
「……Dが決めてください」
「うん、やっぱりおまえいい子だな……
“おれのもの”って顔してる」
Dの手が腰を、背、執拗になぞり始める。
息が触れるたび、Wの身体が熱を帯び、震える。
「今からおまえを気持ちよくしてやる。でもそれは───俺の許可があるまで、“絶対に”イくな」
「……ッ♡、はい」
「じゃあ、始めよっか。俺の“sub”」
そう囁いたDの声には、優しさと───残酷さが入り混じっていた。
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