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【学パロ】
4月
高3の春。母親の友人の子が俺のいる中高一貫校に入学したと聞かされた。小さい時に会ったことがあるらしいが正直あまり記憶がない。まぁどうせあと1年だし、とボーッとしながら昼休みを過ごしていると
🤍あ!いたぁ!!蓮くーーーん!!!!!
でっかい声で俺の名前を呼んで手を振りながら走ってくる、同じくらいの背丈のやつ。
🖤……だれ?
🤍え、忘れちゃったの?俺だよ?村上真都
🖤…………?
🤍ラウちゃんって言ったら思い出す?
「ラウちゃん」
呼び名を聞いた瞬間、胸の奥で何かが噛み合った。 思い出したはずなのに、落ち着かない。 俺が知っている彼と、目の前の彼が重ならなくて、 気づけば俺は、後ろに下がっていた。
🖤でか
ボソッと呟いた失礼な一言にも屈しずに相変わらずニコニコと元気に喋りかけられる
🤍おっきくなったでしょ?蓮くんには、まだ届かないけど。
🖤いや、まぁ、知らないけど、
そんな出会いからほとんど毎日のように、ラウは俺を探しに来た。
🤍蓮くーん!
昼休みでも放課後でも、廊下の向こうから遠慮のない声が飛んでくる。最初は気のせいかと思ったが、完全に俺目当てだと気づくのに、そう時間はかからなかった。
もともと俺は、顔がいいだの何だのと騒がれ勝手にファンクラブまで作られていて、そこにモデル体型の中1が毎日くっついていれば、噂にならないわけがなかった。
俺たちはまたたく間に校内1のビッグカップルにされてしまった。
俺が避けようとすればするほど、ラウは平気な顔で距離を詰めてくる。友達じゃない。付き合ってもいない。ただ、会いに来られているだけだ。と、いくら言っても聞く耳を持たない友人達に辟易したまま最後の高校生活は思っていたよりもあっという間に過ぎていった。
🤍今日も一緒に帰ろ?
季節は冬。校門の前に白い息が溜まる。早々に進路を決めてしまった俺は周りの受験モードにもついていけず、時間を持て余していた。
🤍寒っ。ね、寄り道しよ。
断る間もなく歩き出したラウの後を追い、気づけばコンビニ前に立っていた。ラウは店内の肉まんを指差しながら、無邪気に笑う。
その横顔を見て、俺は、昔の記憶とも、噂とも違う、ただ「一緒にいる今」を初めて意識してしまう。
🖤まぁ、今日くらいはいいよ。
そう答えた自分に少しだけ驚きながら、肉まんを2つ買った。
コメント
2件
恋が始まるやつー🫶🏻🖤🤍