テラーノベル
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🦍視点
その声は静かに
けれど確実に胸を抉るように響いた。
🍆「……。」
最初に顔を伏せたのはぼんさんだった。
🍆「お、俺必要とされたかった。
嫌われたくなかった。
だから…なんでもした。」
ぼんさんは震える指先で手首を撫でる。
🍆「でも結局最後には重いって言われて…。」
目の奥が何かが壊れていた。
いくら自分の身を削っても
伝わらなかった。
🍆「だから屋敷が現れた時…
“ここにいれば必要としてもらえる”って
そう思ったんだよ。」
🐷「愛されてるって言葉は
何も保証してくれなかった。」
すべてを知っていたかった。
誰と会って何をしてどこにいたか。
🐷「でもそれでも…安心できなかった。
見張ってないと苦しかった。」
すべてを把握してようやく
安心することが出来た。
🐷「だってそれが“愛”だと思ってたから。」
⛄️「…僕は感情のままに生きてきた。」
声を荒げ手をあげる。
⛄️「ほんまは…不安やっただけなんや。
だけどこの愛の伝え方しか知らんかった。」
自分のものじゃなくなるのが
怖くて仕方なくて
自分の印を付けておきたかった。
⛄️「泣いてる顔を見ると安心してた。
“俺だけのもんや”って思えた。」
🐷「…みんな壊れてたんだ。」
🍆「でも壊れてるって気づかなかった。
ここなら愛されるって思ってた。」
⛄️「愛されるじゃないですよ。
壊れてる自分を
隠さなくて済むだけだったんです。」
🦍「……だから言っただろう。
君たちは選ばれたって。」
🦍「壊れた心の奥に
誰かを独占したいという思いがあったから。
どんな愛の形でも
受け入れて欲しいと思ったから。
この屋敷は僕達を受け入れた。」
静寂の中誰も否定しなかった。
🦍「そしておんりーがここに
やってきたと言うことは
この屋敷選ばれたということだ。」
🍆「…嘘だ。
おんりーちゃんからは感じなかった。」
🦍「信じたい気持ちも分かる。
だがいつかはみんなも気づくだろう。」
嫌でも気づくだろう。
この屋敷は素質を見破り選ぶ。
その言葉は壁のように重く
誰も否定できなかった。
それはここに居る全員が
痛いほど理解していたからだ。
誰よりも深く愛を欲している証。
🍆「……もし、それが本当なら…」
ぽつりとぼんさんが呟いた。
🍆「おんりーちゃんが
ここに選ばれたっていうなら
俺嬉しいと思っちゃった。……ごめん。」
🍆「俺の愛は重すぎて捨てられてきた。
でも…おんりーちゃんならこの重さを
受け取ってくれるかもしれない
そう思ってしまったんだ。」
他の2人も頷いた。
🦍「…おんりーはきっと
僕たちを嫌うだろう。最初はね。」
一歩前に出る。
🦍「でもこの檻が世界で一番安全だと
気づいた時ここから
出たいとは思えなくなる。」
部屋の空気が重く静まり返る。
🦍「外はおんりーを愛さなかった。
…だが僕達は違う…そうでしょ?」
4人の楽しそうな
笑い声が部屋の中に響いた。
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コメント
4件
🍌チャンは愛されたことなかったんだなぁ……そして、4人が愛されたことが🍌チャンが愛されたことがなかった事を知っていたのは、『この屋敷は素質を見破り選ぶ』…… 毎回予想できないストーリーが来て本当に面白いです!!続きも待ってます!!
…つまり🍌ちゃんは愛されたいという事で選ばれたということか…あれなんか口から水が出てくるな、何故だろう?