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レオかわええな、なんかめっちゃもふもふそ〜
結局、俺は眠れなかった。
(最悪だけど幸せ……なんとも言えん。)
ベッドからそっと身体を起こすと、レオがむくっと起きた。
「あれ?湊どこ行くの?」
レオは俺の腕をがっしり掴む。
ーー朝からかよ……。
仕方なく、レオをぶら下げたまま洗面台の方へ向かう。
「……トイレ。離せ。」
「やだ。」
即答かよ。
寝起きで甘えん坊度が上がるとかある?こいつ犬か?いや犬だった。
「レオ、いい加減…」
俺が溜息をついた瞬間、今度は反対側の腕をぐいっと引っ張られた。
振り返ると、ロウが少し眠そうな顔で立ってる。
「どこへ行く。危ないだろう」
朝から警戒心MAXだな?
というかお前も離せ。
両腕を獣人に掴まれたまま、俺は困り果てていた。
「……俺、トイレ行きたいだけなんだが?」
レオとロウは一瞬見つめ合い、次の瞬間、
「なら俺がついて行く!」
「いや、俺が護衛だ!」
声揃えんな!!
なんでトイレに護衛つけるんだよ!!!
こんなんじゃ恥も何もあったもんじゃない。
(ほんと…俺、いつからこんな生活始めたっけ……)
俺はトイレ(厳重警備)を済ませると宿主の元へ向かう。
「すいませーん、いますかー?」
宿主はすぐに現れて、ウサ耳をぴこぴこ動かしている。
「あらー!
よく寝れた?もう少し泊まってっても良いんだよ??」
ーーそうだ、この人もだ。
「また会える?
連絡先交換しとく?」
逆ナン……。
初めてが人外……いや世界初だろ。
すると、レオは腕を掴む力を強めて
「ダメ!湊は俺の湊だ!」
いやいや、覚えがない。
「違う、湊はずっと俺と一緒に居るんだ
そうだろう?」
全く覚えておりませぬ…。
と言うか今決めたよな、な?
レオとロウは完全に警戒態勢。
俺の腕はがっちりホールドされております。
「いやいや、ちょっと落ち着けお前ら…!」
俺は苦笑いしながら二人を引き剥がそうとするが──当然びくともしない。
宿主のウサ耳がしょぼんと下がり、遠くを見る目でつぶやいた。
「また振られちゃった……今年で354回目……」
いや、諦めろや。
それだけチャレンジしてるの逆に尊敬するけど。
「しょ、しょーがないじゃん!?ウサギは寂しいと死んじゃうんだからぁ!」
ウサ耳バッサバサ揺らして泣きそう。
……たしかにネットでもそう書いてあったが。
けど俺に向ける感情の方向性だけ間違ってる。
「と、とにかく…まずはギルドに行こう!
そこなら仕事とか情報とか…色々あるはずだし…!」
俺が無理やり話題を変えると、レオは胸を張り、ロウは静かに頷く。
「ギルドだな!あいつらに俺の湊の凄さを見せてやる!」
だから誰がいつお前の所有物に。
強調するな、そこで。
「では、俺が先導する。湊が迷わぬようにな」
あぁ、なんでこうなるんだ俺の人生。
いや人生2周目だけども。
俺は深呼吸して気持ちを整えた。
……よし。
とりあえず、ギルドまで生き延びよう。