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あの夕暮れの池から、3日が経過した。
翌日から、宮舘は目黒の姿を見ることすら怖くなっていた。
顔を合わせたら、何を言われるのだろう。
🖤『もう飽きた』
🖤『別れよう』
あの日から、その言葉が頭の中にこびりついて離れない。
目黒から直接聞いてしまうのが怖かった。
だから宮舘は、徹底的に目黒から逃げた。
❤️「(……いない、よな)」
朝は、目黒が待っているかもしれない校門前を避けるため、わざわざ遠回りをして裏口から校舎へ滑り込んだ。
❤️「(……右よし、左よし)」
下駄箱にブーツを残しておけば、そこから自分の居場所を知られてしまうかもしれない。
そんなことまで考えるようになった。
❤️「(……荷物になるけど仕方ないよね…)」
履いてきたブーツは、あらかじめ用意しておいた袋の中へ素早く押し込み、そのまま教室まで持ち歩く。
自分でも呆れるほどの徹底ぶりだった。
幸いなことに授業が始まってしまえば、3年生の宮舘と1年生の目黒では校舎の棟が違う。
普通に過ごしていれば、顔を合わせることはないため授業中は安心できた。
.
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❤️「佐久間、今日も一緒に食べよ…?」
🩷「おっけ〜!」
昼休みは以前、佐久間に教えてもらった誰もいない空き教室に逃げ込む。
そこで佐久間と一緒にお弁当を食べた。
❤️「…………っ」ビクッ
人の気配がする度に身を固くし、廊下から聞こえてくる足音にまで怯える。
🩷「(……涼太)」
佐久間は心配しつつも、何も聞かず宮舘と過ごしていた。
そんな生活を繰り返しているうちに、宮舘の心は少しずつ擦り減っていった。
***
その逃亡生活の中で一つだけ、思いがけない出来事があった。
🩷「……涼太。今日の昼、一緒に食べる人いてもいい?」
❤️「……誰?」
🩷「年齢は俺達の一つ下で【阿部ちゃん】っていうんだけど…」
❤️「……阿部?」
メンバーの一人、阿部亮平との再会だった。
💚「初めまして、阿部亮平です」
『初めまして』と言って笑った阿部を見た瞬間、宮舘は息を呑んだ。
❤️「…っ、…初めまして、宮舘涼太…です」
【2年B組:阿部亮平】
【図書委員】
【佐久間大介の友人】
――阿部亮平。
現実で共に過ごしてきた大切な仲間。
けれど、この世界の阿部は宮舘のことを知らなかった。
💚「佐久間とは中学から知り合いなんです」
🩷「おぉい!俺、先輩だぞ!笑」
❤️「……ふふっ」
その事実に寂しさを覚えなかったと言えば、嘘になる。
💚「……宮舘先輩、料理お上手ですね」
そう言って、穏やかに笑ってくれる阿部の表情は、現実と何も変わらなかった。
❤️「……ありがとう」
最初こそ戸惑いはあったものの、二人が打ち解けるまでに、それほど時間はかからなかった。
❤️「阿部も、これ食べる?」
💚「……いいの?ありがとう」
🩷「涼太!俺にもちょーだい!」
❤️「はいはい。笑」
目黒から逃げ続ける毎日の中で阿部と佐久間と過ごす時間だけが、宮舘にとって心を休められる居場所だった。
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放課後になると、宮舘は教室に置いておいた袋からブーツを取り出し履き替える。
もちろん、正面玄関は使わない。
❤️「(右……左……大丈夫)」
人目につかない非常口のような場所を選び、周囲を何度も確認してから、こっそりと校舎の外へ出る。
そのままどこにも寄り道せず寮へ直行した。
――そんな逃亡生活をあの日から10日間、1日も欠かすことなく続けた。
***
けれど10日も続けば、流石に周囲も異変に気付く。
何より、あれほど毎日のように一緒にいた二人の姿を突然、学園から見なくなったのだ。
噂が広がるのに、時間はかからなかった。
「……宮舘と目黒、別れたんだって」
「やっぱり続かなかったんだ」
「あれだけ仲良さそうだったのにね」
❤️「…………」
廊下を歩けば、そんな声が聞こえてくる。
同情するような視線に哀れむような視線。
「目黒くん、今フリーってこと?」
「じゃあ、次は私にもチャンスあるかな」
❤️「…………」
まるで自分の番が回ってきたとでも言うような、嬉々とした視線。
それら全てが宮舘の背中に突き刺さった。
けれども何かを言い返す気力すらなかった。
ただ俯いて、歩き続ける。
そして心の中で、白旗を上げてた。
❤️「(これだけ逃げ回ってるんだし……)」
足取りが、ますます重くなる。
❤️「(きっと、好感度なんて0になっちゃったよな……)」
以前なら、何かある度に頭の中へ響いていた無機質な音声。
【好感度が○%上昇しました】
そんな声も、最近は全く聞いていない。
いや、聞くことすら怖かった。
宮舘の心は、いつの間にか完全な諦めに支配されていた。
❤️「(……どうせ、もう終わったんだ)」
そう思えば、少しだけ楽だった。
.
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❤️「(……はぁ)」
その日の放課後も宮舘は俯いたまま、重い足取りで廊下を歩いていた。
人の少ない渡り廊下に夕方の光が差し込み、床に細長い影を落としている。
❤️「(……ここを抜けたら寮に帰れる)」
今日も何事もなく、一日を終えられる。
――その時。
ぐいっ。
❤️「っ……!」
突然、背後から腕を強く掴まれた。
驚きに肩を跳ねさせ、宮舘は反射的に振り返った。
そこに立っていたのは、見上げなければならないほど背の高い見知った少年だった。
【1年B組:ラウール】
【服飾部部員】
【目黒 蓮のクラスメイト】
目の前に浮かび上がった文字を見て、宮舘の心臓が大きく跳ねる。
――ラウール。
現実の世界で共に活動している大切な仲間。
この世界では、目黒のクラスメイトという役割を与えられているらしい。
❤️「……えっと、何?」
🤍「…………」
けれど、ラウールは答えなかった。
いつものあどけなさをどこか残しながら、その瞳には普段とは違う光が宿っていた。
真剣で逃がすつもりなど、微塵もない。
🤍「悪いけど、一緒に来てもらうよ」
ラウールから低く告げられた声に、宮舘は小さく息を呑んだ。
❤️「…………」
掴まれた腕に鈍い痛みが広がるが、抵抗する気力は、もう残っていなかった。
10日間。
逃げて、隠れて、怯えて。
心も身体も、とっくに疲れ果てている。
それに、ラウールが目黒のクラスメイトだということは、もう分かっている。
彼が自分を連れて行こうとしている場所なんて、考えるまでもなかった。
❤️「……分かった」
消え入りそうな声で呟くと、ラウールは宮舘の腕を引いて歩き出した。
前を行くラウールの背中は、あまりにも大きく宮舘はぎゅっと唇を噛みしめる。
❤️「(……怖い)」
できれば、行きたくない。
それでも、もう逃げることはできなかった。
やがて二人の姿は、夕暮れの渡り廊下の向こうへと消えていった。
#渡辺翔太
クリオネ?
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zetsu.
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#一般人
クリオネ?
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コメント
6件
他メンバーも出てきてまた面白くなってきたーーー😆 でも好きなのに避けてる❤️が切ないなぁ😢 🖤、諦めてないよね!? 🖤❤️幸せになって〜💕

だて頑張ってるなぁ…