テラーノベル
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泊まりに来たいと、阿部が言ったのが一昨日のこと。
岩本はそれを快諾し、そして今日、阿部はいた。
阿部は、2人掛けのソファにあぐらをかいて座り、スマホを見ながら風呂上がりのアイスを食べている。岩本も風呂から上がると、冷蔵庫からアイスを取り出して阿部の隣に座った。
スマホを見つめる阿部を見る。
部屋着の阿部は新鮮に映る。
スマホから目を離さないまま、阿部が脚を組み直す。ふわりと空気が動き、少し甘い、ボディソープと思われる香りがした。
同じ物を使っている筈なのに、阿部から漂う香りはどこか扇情的に感じる。
(…脚、細いな)
阿部が細身なのは分かってはいたが、ショートパンツから露出した太腿を見て、改めて思った。
Tシャツの上に羽織ったパイル織りのパーカーは、そういう仕様なのかたまたまなのか分からないが、萌え袖になっている。
可愛い。
顎と首のラインが綺麗だ。
「…見過ぎ」
ずっと眺めていると、阿部は照れくさそうに呟いた。スマホを脇に置いて、席を立ってキッチンの方へ行く。
「水ちょうだい」
言ってキッチン側の電気をつけようとした阿部の手首を、岩本は背後から掴んで止めた。
そしてそのまま、阿部を自分に向き直らせる。
「?…何?」
きょとんとして阿部は岩本を見る。
岩本はそんな阿部に不意に顔を近づけ、そのまま阿部の形の良い唇に唇を重ねた。
10秒ほどして一度唇を離す。
「…目閉じるくらいして」
驚きの表情のまま固まっていた阿部に、岩本は苦笑した。
「あ、そ、そうだね。ごめん」
はっと我に返り阿部が言う。
岩本は、赤面する阿部をぐいと側の壁に押し付けた。
「やり直す?」
そしで低く囁く。
阿部が何か言いかけたが、聞かなかった。
もう一度口付ける。
うっすら開いた唇を割って、舌を差し入れた。
「!んっ…!?」
阿部が一瞬逃げようとするが逃さない。
壁との間にホールドしたまま、舌を絡め、口内粘膜を犯す。
掴んでいた手首を離し手を重ねると、阿部が指を握ってくる。
「っんぅ…ふぅ…っ、ひ、か…」
阿部は呼吸困難になりつつ何かを言おうとするが、岩本はそれをさせない。
長く深い口付けを繰り返した。
次第に阿部の身体から力が抜けていく。崩れ落ちそうになって、岩本の服を掴んだ。
だんだんと漏れる吐息が甘くなっていく。縋りつきながら懸命に岩本に合わせ、応える。
阿部が堕ちそうになる頃、岩本はようやく阿部を解放した。
「っは…ぁ、な、がいっ」
顔を真っ赤にした阿部が睨んでくる。とろんと潤んだ瞳で。
「蕩けた顔して」
岩本が笑うと阿部は、恥ずかしそうに顔を逸らした。
岩本は、そっと阿部の髪を撫で、頬を撫で…その手を下腹部へと持っていった。
そしてするりと、ショートパンツの中に手を滑り込ませる。
「ちょっ…」
阿部が狼狽えた声を上げる。さっきのキスのせいで、既に彼自身は反応していた。
「そっ、そこは、自分で何とかするからっ」
「なんで。俺がいるのに?」
岩本は意に介さず、さらに下着の中に手を入れて直に触れた。
阿部は身体を強張らせ、反射的に岩本に抱きつく。ゆっくり扱きだすと、それはさらに硬く熱くなった。
耳元で阿部の浅い呼吸が聞こえる。艶っぽい吐息が。だんだんと手の動きを速くすると、阿部のしがみつく手に力が入った。
「あっ、ひ、かる、待っ…!は…っ、速くしたら…っ、ホントにイ、クから…っ」
半泣きになって訴える。それでも与えられる刺激に、身体は素直に反応していた。ダメだと言いつつ、その声音は甘い響きを帯びている。
「イッていいんだよ。ほら」
及び腰になる阿部の身体を支えて、岩本は耳元で囁く。
その甘い囁きに、阿部は脳まで犯されるような感覚を覚えた。恥ずかしさと愛しさが込み上げてきて、快感が増幅したように感じる。
「んは…っ、あ、も…無、理っ…!」
急激に迫り上がってくる。
「ひ、かる…っ」
熱っぽく恋人の名を呼んで、阿部は岩本の手によって、熱を放出した。
途端に力が抜け、岩本に完全に身体を預ける。
「ん。可愛い。よく出来ました」
放心する阿部を抱きしめて岩本は優しく言い、頭を撫でた。
「…ひかるは?」
抱きついたまま阿部が聞いた。
「うん?」
「ここ。辛そう」
そっとスウェットの上から触れる。膨張した自身を指摘されて、岩本はバツが悪そうな顔をした。流石にあの阿部を前にして、無反応でいることはできなかった。
「いいよ。してあげる」
阿部は、ふわりと微笑む。そして一瞬考えた後、岩本の足元にしゃがみ込んだ。
「いいって、大丈夫だから」
口でするつもりだと察して岩本は、慌てて言う。それでも阿部は止めるそぶりを見せず、スウェットに手を掛けると脱がしにかかった。
躊躇うことなく下着を下ろす。
「阿部、ちょっと…」
「大丈夫じゃ無いじゃん」
困惑する岩本に、阿部はいたずらっぽく笑った。
「…下手かもだけど、そこは許してね」
そしてそう言うと、反り返った岩本の自身に唇を寄せた。
舌を這わせ、口に含む。
岩本は深く息を吐いた。
阿部の愛撫はぎこちない。が、その初々しい感じが唆る。
呆気なく自身は張り詰め、痛いくらいだ。
頬を上気させ懸命に相手をする阿部が、ふと上目遣いに見てくる。優しく髪を撫でてやると恥ずかしそうに目を伏せた。
「阿部、もういい」
近づく限界を感じて、岩本は言った。
「離れて」
阿部は言うことを聞かない。離れるどころか深く咥え込んでくる。
口内には出したく無いと思ったが、もう限界だった。
「っく…ッ、出るよ」
小さく言うのと同時に、岩本は溜まったものを吐き出した。
「!」
阿部はそれを全て口で受け止め、ゆっくりと身体を離す。そして手のひらに、口の中の物を吐き出した。
「…さすがに、飲めなかった」
「飲まなくて良いよ、そんなの」
岩本は下着を直すと、側にあったタオルで阿部の手を拭ってやる。
「…気持ち良かった?」
阿部は床に座り込んだまま尋ねた。
「良かったよ」
「そっか」
照れくさそうに笑う。それからゆっくりと立ち上がった。
「…俺さ、今日、ひかると最後までする気で、泊まりに来たの」
阿部は、口元を拭いながら切り出した。
「ひかるが全然何もしてくれないから、なら、俺からいくしか無いって思ったんだよね」
「その割にスマホばっかり見てたじゃん」
「いざとなったらどうして良いか分かんなくて、打開策がないか調べてた」
苦笑する阿部。岩本はそれを聞いて少しホッとした。
「なんだ、てっきり誰かとやり取りしてるんだと思った」
「もしかしてヤキモチ妬いて、あんなことした?」
指摘されて岩本が口籠る。阿部は、ひかるはヤキモチ妬きだなあ、と笑った。
「でも…そのおかげで、ひかると気持ち良い事できたしいいか」
「ちょっと強引だった…ごめん」
「……優しいひかるは、もちろん好きだけど、ああいう強引で、ちょっと意地悪なひかるも、好き」
はにかんだ笑みを浮かべ、阿部が言う。急に岩本は恥ずかしくなった。
「もっかいシャワー浴びて着替えてきな」
ぶっきらぼうに言って阿部をバスルームの方へ押しやる。
はーい、と阿部は笑って、バスルームへ行った。
岩本はソファに腰を下ろし、天を仰いだ。
(眠れる気がしない…)
今夜の阿部は可愛すぎた。思い出すと顔がにやける。
「絶対寝れねー…」
岩本はぽつりと呟き、顔を覆った。
コメント
1件
きゃーーー🫣🫣🫣 最後までしちゃうのかな!?🫣🫣💛💚