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第三章 ―― 白樺の原生林旅を始めて三日目。
僕たちは、巨大な森の前へ立っていた。
「……でか」
見上げた先。
空へ届くほど高い白樺の木々が、果てしなく並んでいる。
普通の白樺じゃない。
幹は真っ白に発光し、葉は淡い青緑色。
風が吹くたび、森全体が星みたいにきらめいていた。
ノヴァが周囲をスキャンする。
「目的地周辺へ到達」
「名称――《白樺の原生林》」
「ここに“第2の鍵”があるのか?」
「高確率です」
森へ一歩踏み込んだ瞬間。
空気が変わった。
静かすぎる。
鳥の声も。
虫の音も。
何もない。
ただ、白樺が風に揺れる音だけが響いている。
ザァァァァ……。
「なんか、不気味だな……」
その時。
パキッ。
背後で枝が折れる音。
僕は即座に《アステリア》へ手をかけた。
「誰だ!?」
振り向く。
だが、そこには誰もいない。
……いや。
白樺の幹の陰。
“何か”が立っていた。
人影。
真っ白なローブを纏い、顔だけが影になって見えない。
ゾワッ。
目が合った気がした瞬間――
スゥッ。
人影が消えた。
「っ!?」
ノヴァが警告を出す。
「生命反応を確認できません」
「ですが、空間歪曲を検知」
「つまり?」
「“普通の存在ではない”ということです」
嫌な汗が流れる。
その時だった。
森の奥から、歌声が聞こえた。
透き通るような女の子の声。
どこか悲しそうで、でも綺麗な旋律。
「……誰かいる?」
歌声は、森のさらに深い場所から響いている。
ノヴァが慎重に言う。
「マスター」
「この森は、何かがおかしいです」
その瞬間。
白樺の木々の隙間で、無数の“白い目”が一斉に開いた。
不明ちゃん。