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日が経つにつれ産み月も近くなって来ると、それだけ不安感も増すようになった。
その夜も部屋で眠りにつこうとしても、いつまでも目が冴えたままなかなか寝つけなくて、ふとSNSで貴仁さんにメッセージを送ろうかなと思い至った。
もし彼が寝てしまっていたとしても、メッセージを送るだけでも少しは安心ができるように思えたからだった。
なんて言おうかなと、スマホの画面を眺めながらしばらく考えてみる。彼が寝ていても起きていても、いずれは見るものだから、あまり負担にはならないようなものにしたかった。
考えに考えて……、
『貴仁さん、もう寝ましたか?』
とだけ打った。
眠っていたら返信はないだろうし、起きていてメッセージをくれたら、それでだいぶ安心できそうにも感じたから──。
『まだ、起きているが、どうかしたか?』
程なくして、彼から返事が来た。
起きていたんだ……と、ちょっと嬉しくなる。
『なんでもないんです。ただ私が眠れなくて、貴仁さんは起きてるかなと思っただけなんで、』
そこまで書いて、
『おやすみなさい』
と、締めくくった。
起きていたことに嬉しさが湧いたこともあって、長々と書いていると、なんだかわがままを言ってしまいそうで、これで終わりにしようと思ってのことだった。