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龍の中のラプソディ

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龍の中のラプソディ

2 - episode2-逃げるなよ、らん-

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2025年07月22日

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部屋には監視カメラがある。ドアには内側から鍵がかからない。窓は格子付き。


数日間、食事はきちんと出された。傷つけられることはなかった。

ただ、いるまは毎日顔を見せ、らんの隣に座っては一方的に話しかけてくる。


🎼📢「お前、朝は弱いだろ? 休みの日とかずっと寝てんの?」


🎼🌸「……別に、関係ないし」


🎼📢「いや、関係ある。俺が知りてぇから聞いてんだよ」


🎼🌸「……っ」


いるまの距離感は常に近い。触れはしないが、目は決してそらさない。



ある夜、らんは覚悟を決めた。

スプーンの柄をポケットに隠し、深夜、監視の死角を縫ってドアの鍵穴をいじる。


あともう少し――というところで、


「……なにしてんの?」


その声に、心臓が凍りついた。


振り返ると、そこにはいるま。

黒いコートを肩にかけたまま、無表情で立っていた。


🎼📢「逃げようとした?」


🎼🌸「っ……だって、ここ、おかしいだろ……! 警察に、通報されるよ……!」


🎼📢「俺が誰かわかってねぇみてぇだな。……この部屋出たら、その瞬間に”処理”されんのはお前のほうだぞ」


らんの手からスプーンが落ちる。


🎼📢「……でも、逃げようとしたの、初めてだな」


いるまはゆっくり近づいてきて、ベッドに腰を下ろす。そして、乱れた前髪をそっと払った。


🎼📢「俺は……お前を傷つけたくねぇ。でも、お前が俺を無視するなら、話は別だ」


🎼🌸「……どういう、意味」


🎼📢「言葉でわかんねぇなら、身体で覚えさせるしかねぇか?」


息が止まりそうになる。

その指が頬に触れた瞬間、らんは震えながら叫んだ。


🎼🌸「っ、やだ……! やめてよ!」


その声に、いるまの手が止まる。


しばらく沈黙のあと、ふっと笑った。


🎼📢「……やっぱ、お前は逃げる顔も可愛いな」

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