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今日はインターン…無事九州のホークスが運営してる事務所に行けたけどまぁ歓迎されてるのかな?


「初めまして、俺はホークス。君たちが…」

「常闇踏陰。ヒーロー名はツクヨミです」

「私は霊華海鈴!ヒーロー名、船長です」

「確か1位で楽しむ宣言して最終的に楽しそうじゃなかった子ね二重人格ってホントなの?」

「あ、はい。身体の使い方が人格によって違うので…時と場合によって使い分けてますよ。今は主人格です」

「ホークス2人共個性は…」

「ダークシャドウ。遠距離専門」

「武器生成ですよ。集団行動ができない訳では無いのですが、単独の近距離専門です」

「よし、パトロールの為にコスチューム着てきてね」

「「はい!」」






「今日の成果だけど…ツクヨミはこの後来て。結論から言えば2人共いいね、船長は着いてこれるどころか俺がついた途端に位置を把握して来るから先読みもできてる。ほぼ教えることは無いと思う。ツクヨミはまだまだ伸びしろがある」

「伸びしろっていいなぁ…(見様見真似で完璧に出来る身体には感謝してるけど…)」

「船長は純粋に褒められてていいと思う」





「ホークス、ツクヨミ!船長がヴィランの個性にかかって様子がおかしいんです!」

「「え?!」」




「俺はホークス。ヒーローだけど君はお名前覚えてる?」

【ん?アタシはマリン!お宝大好きなお姉さんよ♡ウイングヒーローホークスよね?船長がお世話になってるねぇ…呼び方は仮面ちゃんでお願い♡】

「もしや…授業中は…」

【アタシが社会とヒーロー科目以外の授業受けてるの♡】

「船長と違って色気がありますね…身体が同じでも精神が違うと変わるんですか?」

【船長は身体を大事にしてるけどアタシは船長を大事にしてるから分からないわ♡】

「くれぐれも、めんどう事は起こさないように!」





「ねぇねぇ?」

仮面ちゃんは後ろ手に拘束されたヴィランのハッカーの腕に自らの腕を絡めて(ヴィランのハッカーが「ひゃぅ!?」と叫んだ)、体と体をピッタリ貼り付けた(ヴィランのハッカーが「ぎゃぅ!?」と叫んだ)。

まるでタコが茹でられた瞬間みたいだ。ヴィランハッカーは一瞬だけ振り払うようなそぶりを見せたあと、ブルブル震え、縮み上がり、首から顔面へかけパーッと真っ赤に染まって、固まってしまった。


「ん?」

「はひっ、ひへゅ……っ」


至近距離になった仮面ちゃんの顔から目が離せないのだろう。優しげで愛らしいニッコリ笑顔。唇は薄すぎず分厚すぎず、桜色で柔らかそうに膨らみ、吸い付いたら誰だって夢中になってしまいそう。まつ毛はクルンとしてフサフサで、上まつ毛も下まつ毛も美しい目をぐるっと縁取って完璧に飾り立てている。何より、そのまつ毛の奥で煌めく愛くるしいな赤い瞳は最高級品以上だ。世界中で最も価値のある宝石を埋め込んだかのように、美しすぎて、直視すればどうにかなってしまいそうになる……。

童貞を勘違いさせる笑顔だ。

ヴィランのハッカーは仮面ちゃんの瞳に釘付けで、真っ赤な顔のまま、ハクハクと喘いでいた。


「捜査、協力してくれると嬉しーな♡」

「ぁっ、そ、そのっ、あ、あ、あ、」


コテン、小首を傾げられたら、もうダメだった。ヴィランのハッカーの目がトロンとうるみ、ぼぅーとのぼせたかのように熱っぽくなった。彼は、たった今、恋に落ちた。


「パスワード……、教えて…?」

「8617……」


警察官の「起動しましたー!」に、「良かった、良かった。」ヴィランのハッカーは仮面ちゃんから解放された途端、夢から覚めたかのようにシャキッとして、ブンブン頭を振っていた。

「あっ、あれ、俺……」

「バッキャヤロォォオオオオ!! 何喋っちまってんだ!! お前、えっと……よっ子ちゃんだったか、ヒヨコちゃんはどうたらこうたら。だったかのアニメキャラの子が好きだっつーキモオタだったじゃねぇえええかああああ――!!」


銃乱射していたヴィランが叫んだ。


「よっ子じゃねえ! よぅちゃんだ馬鹿野郎! ヒヨコかよ!! あとよぅちゃんはアニメキャラじゃねえ! Vチューバーだッ!!」

「どっちも同じだろォォオオオオ!!!?」

「違ぇわ!! ぶっ殺すぞ!?」

「おうやってみろやキモオタァアア!!」

「パソコンフォルダの整理が出来て無さすぎてデータがどこにあるか全く分かりません!!」


警察官が頼み終える頃には仮面ちゃんが再びヴィランのハッカーの隣に座っていた。そして、銃乱射ヴィランが「気をしっかり持て!? ヨッコを忘れんな!?」と喚くのを、蹴りを入れて黙らせた(「ぐへぇっ!!」)。

ハッカーは目をぎゅううっと閉じて、イヤイヤ首をブンブン振り続けている。でもそれも、仮面ちゃんがハッカーの顎に手をかけたらピシィッと止まった。ヴィランのハッカーはまた顔中を真っ赤にさせて、すぐさまトロントロンになってしまった。


「ねェ、そのよぅちゃんとアタシは……どっちが可愛い……?」

仮面ちゃんがヴィランのハッカーの頬を指先でスリスリとやらしく撫でた。ヴィランのハッカーが「ふぐゅぅう……!!」と叫んでパッと目を見開いた。目の前にはもちろんいっぱいの愛らしい笑顔だ。


「ん?」

「貴方様です!!」

「ぉぉおおおいいいいいい――――!!!!」


あとはもう銃乱射ヴィランが何を叫んでもダメだった。


「よぅちゃんとアタシは……どっちが好き?」

「貴方様です♡」

「しっかりしろぉおおおお!!!?」

「嬉しい♡ じゃあデータについて詳しく教えてほしぃなあ♡♡」

「もちろんです!!」

「お前ェェエエエエエエエエエエエ――――!!!?」

それから、恐ろしいほど何もかもをペラペラ喋ってくれたヴィランのハッカー(好きな子を前にしてあがってしまい、ハイテンションで喋り続けている哀れな男子学生のようだった)は、仮面ちゃんが離れると天国から現実へ帰ってきたかのようにガックリと項垂れた(パソコンを調査している警察官はホクホクだ!)


「っざけんなよキモオタァアアアアアア!!」

「ちっ、違うんだ! アイツに触れられると、体がカッと熱くなって……呼吸が上手く出来なくなって……心臓がずっとバクバクしてッ!! あの赤い目を見ると、頭の中がぎゅうっと絞められたみたいになって、もう……っ、もう、もぅ……!! 何も考えられなくなるんだ!!!!」

「ガチ恋じゃねぇええええかああああああ――――!!!!」

「違うんだ! 俺にはよぅちゃんがァアッ」

「うっせえわクソ野郎ぉぉおおお!」

「違う……! 違うんだあああ!!」

「仮面…大丈夫か?」

「どうって事ないわよ♡」


流石のホークスさんもこんな現場を見ると「やり方えグゥ」などと言うほどらしい。

その後に他のヴィランが「キモ!絶対ババアじy…」と言った瞬間に男の大事なことろを蹴り飛ばして「女性にそれは禁句♡♡」と色気があるように言った途端…

ヴィランのハッカーがぽぉ〜と仮面ちゃんを見つめ「……いい♡」とつぶやいている。

銃乱射ヴィランが「ウッソだろテメェエエ!!!? どー見てもアレヤベェヤツだろ!!!? どこまでも追ってくるメンヘラ彼女のがまだ可愛いわ……!!!!」と叫んだ。

「……口汚く貶されながら踏まれたぃ…でゅふふ」

「蹴られた! 俺の大事なことろ蹴られた! マジで痛かった! 三途の川見えた!!」

「……変態ナース服コスプレのドSエッチな雌お姉様に電気あんまされたぃ」

「要素盛り込みすぎだろォォオオオオオオオオ――――!!!?」

「……あの方に踏み踏み♡ されながら、ナース服のミニスカからチラリと見える女ものパンティ……至福……でゅふっでゅふふふふっ」

「……シテ…戻シテ……、あの頃のキモオタに戻して……」

「……あの方に叱られたぃ……『お仕置き♡』って言われてバシンッて鞭で叩かれたぃ……ギィィイイイァアアアアアアアアアア――――――ッッッ!!!!」


流石にホークス師匠が一応弟子の身体にそんなこと言われてるから勢いつけて殴り、成敗した。





数日後…

「誠に申し訳ございませんでした。うちの仮面ちゃんがヴィランに迫ったり、私刑をしてしまい。」

【(これまた華麗なる土下座ね♡)】

「(いや、仮面ちゃんのせいよ??)」

「大丈夫大丈夫、しっかりその場で私刑したから!」

「仮面…恐ろしい」

「仮面ちゃんはお色気とか騙しも得意なので本当に困りましたよね。スグにあれなんだろ〜(笑)いってきマース♡とか言って何度もヴィランの現場とかに乗り込んでは遊んだりお色気とかしてそうですから。本当に申し訳ございませんでした。」

【(え?なんで分かるの?!)】

「(逆に仮面ちゃんはなんで分からないと思ったの?)」

「ヴィランの個性はどんな効果だったの?」

「眠くなる薬でした。ですが、私が寝たことによって仮面ちゃんが出できてたみたいです。」

「命に別状がなさそうで何より!」

失敗作に二重人格で転生したけど文句あるの?

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