テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(なんで……苦しいのに、感じてる……っ?)
混乱する思考とは裏腹に、玲於は絞めつける指を巧みに操り始めた。
時折緩めて空気を与え、油断したところで再び強く締め上げる。
酸素不足で頭がくらくらするのに、その苦痛さえも快感へと歪曲されていく。
「はっ……ぁ……っ!」
口を開けて必死に空気を吸い込もうとするが、玲於の指はそれを嘲笑うようにさらに深く食い込んでくる。
「あ゛……ッ!」
声にならない呻きが喉の奥で爆ぜる。
涙腺が刺激され、目尻から熱い涙が流れ落ちた。
「苦しい? でも……気持ちいいでしょ?」
玲於の声は、毒を孕んだ砂糖菓子のように甘く響く。
その目は獲物を追い詰める捕食者のそれで、俺の苦悶に歪む顔を、隅々まで網膜に焼き付けようとしている。
「ひっ……!」
絞めつけられる強さが増した瞬間、背筋を稲妻が駆け抜けた。
窒息寸前の恐怖が快楽神経と共鳴し、まるで脊髄を直接電流で犯されているような強烈な感覚に囚われる。
(くる……し…い……のに……っ…!)
肺が軋むほど喘ぎたいのに、声が出せない。
代わりに喉の奥から絞り出されるのは、細く掠れた「あぅ……」という情けない声だけで──
それがどうしようもなく淫美に響いた。
「こうやって……ぎゅって絞めあげながら動いてあげる」
玲於が片手を下腹部に移し、猛り立った肉茎を握り込む。
内側と外側から同時に、逃げ場のない責め苦を与えられれば、もはや理性は溶け崩れる寸前だった。
「んん゛ぅッ!♡♡」
チョーカーの金属部分が肌を擦り、絞めつけられている明確な印を刻む。
その痛みさえ甘美な刺激となり、全身の毛穴が開くような震えが止まらない。
「すごいでしょ?首を絞めると快感倍増なの知ってた?って言っても、答えられないよね」
玲於の声が遠くで木霊するように響く。耳鳴りと共に世界が歪み始め──。
「ゔゔ……ッ!!♡」
突如として最奥を抉る一突き。玲於の剛直が容赦なく、俺の最深部を叩き潰した。
「〜〜ッッ!!♡♡♡」
閃光のような快感に視界が真っ白に弾け飛ぶ。
がくがくと震える体を支える術も、もはや残っていない。
「そう……もっと、苦しんで、もっと泣いてみて……っ」
玲於の囁きが鼓膜を撫でる。次の刹那、
「んん”っはぁっ、ん”っあぁ!…!!♡♡」
最大深度まで貫かれながら、絞めつけの強度が臨界点を超えた。
(もう……無理……っ)
本能が限界を訴える。
苦痛と快楽の境目が曖昧になり、生存への恐れさえも官能へと強制的に変換されていく。
脳みそが蕩けて、何も考えられなくなる。
「はっ……は…ッ!♡」
必死に空気を求めても許されず、喉笛が締まる鈍い音が鼓膜を打つ。
なのに全身を支配するのは、途方もない昂揚感だ。
「ふふっ……顔真っ赤で可愛いよ」
玲於の指先がわずかに緩み、待ち望んだ酸素が肺に届く。
その瞬間──
「あ”ぁ〜〜っ♡ 〜〜〜〜〜っ”♡♡♡」
激しい咳込みとともに訪れる、暴力的なまでの恍惚。
生き延びた安堵と絶頂への焦燥が入り混じり、精神を未知の高みへと押し上げた。
そのとき、俺は耐えきれず玲於の手に爪を立てた。
「イっ……く…っ!」
宣言する暇もなく、絶頂の波に飲まれる。
びくびくと跳ねる性器から白濁が勢いよく飛び散り、俺の腹部を汚した。
ほぼ同時に、玲於も低い唸り声を上げながら、内部で熱いものを爆発させたのが分かった。
互いの絶頂が重なり、部屋の空気が一気に弛緩する──。
「……っ…ふ……」
絞めつけられていた首から、ゆっくりと玲於の指が離れていく。
解放された瞬間、急激な血流の回復で視界がちらつき、激しい咳が込み上げた。
「はぁーっ! はぁーっ!!…は、ぁ……」
酸素を貪るように、肩を上下させて大きく呼吸する俺。
それを見下ろす玲於の目は、未だにどろりとした熱を孕んでいる。
「ねぇ……どうだった?死ぬかと思った?それとも天国だった?」
そう尋ねる声は、ひどく冷酷に、けれど愛おしそうに響いた。
俺は荒い呼吸の合間に、小さく頷くしかなかった。
「う゛ぁ、バッカ!!絞めすぎだろ……!!うう……っ……き、気持ちよかった、けど……っ」
掠れた声で告げると、玲於の瞳が闇色に妖しく輝く。
「ごめんごめん、霄くんが泣きながらイきそうになってるところ可愛すぎて、もっと苦しめたくて……興奮しすぎちゃった……」
そう言うと、玲於は俺の頬を伝う涙をべろりと舐め取り
「首に痕残っちゃってるけど……チョーカーしてるから目立たないだろうし、もし見つかってもこれも俺のモノっていう証拠ってことで……ね?」
と、満足げに微笑んだ。
首筋に残された指の跡を確かめるように触れると、微かにヒリつく痛みがあった。
けれど、それさえも今の俺には、麻薬のように心地よく感じられた。
(やべ……首絞めとか怖いし初めてだったけど……なんか、悪くないかも)
なんなら……クセになりそう
朦朧とした頭でそんなことを思いながら、俺は玲於の腕の中に、心地よい疲労感と共に沈んでいった。