テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

第4話「空を🎆見上げる時間⌚」

美玖が転校してから、一ヶ月が過ぎた。

教室は少しだけ静かになった気がした。

笑い声も、話し声もあるのに、

すみれには、なにかが足りないように感じていた。

放課後、ランドセルを背負ったすみれは、

ひとりで校門を出た。

――となりに、みくはいない。

あたりまえだったはずの風景が、

少しだけ色あせて見える。


その日、すみれは、ひさしぶりにあの神社に行った。

みくといっしょに“お願い”をした場所。

階段をのぼると、前に来たときと同じように、

風鈴が静かに揺れていた。

すみれは、小さな声で言った。

すみれ:「ねえ、みく……元気にしてる?」

答えは、もちろん返ってこない。

だけど、不思議と、聞こえたような気がした。

「うん、元気だよ!」

そんな、明るい声が。

すみれはふっと笑って、目を閉じた。


帰り道、公園に寄ると、夕焼け空が広がっていた。

オレンジとピンクのグラデーション。

その中に、小さな白い飛行機雲がすーっとのびていた。

すみれは、リュックのキーホルダーを指でなぞる。

星の形をした、小さな透明ビーズ。

美玖がつけてくれたこのキーホルダーを見ると、

なんだか胸があったかくなる。

美玖がいない日々にも、ちゃんと、やさしい時間は流れている。

すみれ:「わたし、がんばってるよ。だから――」

――また、いつか会えたときに、笑って話せるように。


その日の夜、すみれはノートを開いた。

「みくといる時間は、わたしの宝物」

そう書いたページのとなりに、新しい言葉を綴る。

「また笑い合える日が来るって、信じてる。」

ペンを置いたすみれは、

そっと空を見上げた。

今日の星は、ひとつだけ光っていた。

でも、どこかでちゃんと見てくれてる気がした。

そのひかりに向かって、小さくつぶやく。

すみれ:「おやすみ、みく。夢で会えたらいいな」

窓の外の空は、しずかに深く、夜へと変わっていった。


つづく

忘れられないあの日のこと

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

17

コメント

16

ユーザー

わたい人視聴や念だからあなたの言葉がわからないにおめ野菜

ユーザー

ごまねさい

ユーザー

あっごめんなさい!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚