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みなさん、こんにちは!作者です。
改めまして、フォロワー数39人(そして現在46人!)本当にありがとうございます!
実はちょっと前に、「フォロワー39人記念に何をやったらいいか」の企画募集をさせていただいたのですが……その節はたくさんの素敵なアイデアやリクエストをありがとうございました!
「旧枢軸とソ連、ロシア、現枢軸の平和な日常が見たい!」「とにかく長い話でじっくり読みたい!」という熱い声をたくさんいただき、それを全部詰め込んだ結果……なんと全54話の超長編連載という特大ボリュームの記念作品が爆誕することになりました!
募集の段階では39人だったフォロワー様も、今や46人にまで増えていて作者は本当に感無量です。遅れてきた記念作品にはなりますが、リクエストしてくださったみなさんの期待に応えられるよう、1話1話をかなり長く、テンポよく、そして髪の毛の描写には触れないこだわり仕様で、全力でほのぼの日常劇を描いていきます!
それでは、みなさんのアイデアから生まれた彼らの物語、第1話のスタートです!
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⚠️ 注意書き
・本作は国を擬人化した二次創作(カントリーヒューマンズ)のフィクションです。
・実際の歴史、政治、国、地域、団体とは一切関係ありません。
・全員が一つ屋根の下で暮らしている超平和時空の日常ものです。
・キャラクターの口調や関係性に独自の解釈が含まれます。
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📚 作品概要
作品タイトル:『ボーダーラインを越えたリビングで』
ジャンル:日常・コメディ・ほのぼの・ハートフル
全話数:全54話
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第1話:美味しいコーヒーの淹れ方と、騒がしい朝の幕開け
1.職人の朝は、一粒の豆から始まる
午前六時十五分。
この広大な二階建てのシェアハウスにおいて、この時間は「完全なる静寂」が支配する唯一のエアポケットだった。
外の空気はまだ少し冷たく、窓ガラスの向こうには薄紫色の朝焼けがじわじわと黄金色に溶け出している。
庭の木々では、名前も知らない小鳥たちが控えめにさえずり始めていた。
「……ふぅ。今日も、完璧な湿度だ」
キッチンのカウンターに立ち、そう低く呟いたのはナチだった。彼の姿は、朝の寝起きとは思えないほどに端正だった。
服装の乱れは一切なく、白シャツの袖は寸分の狂いもなく二回、正確に折り返されている。その上から着用しているのは、黒い厚手のコットンで作られたエプロン。胸元には、彼のこだわりである「工具用ポケット」がついているが、今はそこに一本の細いスプーンが差し込まれていた。
ドイツにとって、朝のコーヒーを淹れる行為は単なる水分補給ではない。それは一日の始まりを告げる神聖な儀式であり、彼の精神を「起床モード」から「稼働モード」へと完全に切り替えるための精密なルーティンだった。
彼はまず、キッチンスケールの上にガラス製のサーバーを載せ、数値を「0.0g」に合わせた。
次に、棚から取り出した遮光性の高いキャニスターを開ける。中に入っているのは、彼がわざわざ数駅先のこだわりの自家焙煎店で購入してきた、深煎りのグアテマラ産コーヒー豆だ。
「一人あたり、十グラム。……いや、今日は少し多めに用意しておくか。どうせ、あの男たちが匂いに釣られてゾンビのように起きてくるだろうからな」
ナチは独りごちながら、木製のスプーンで豆をすくい、グラインダー(電動ではなく、あえて手動の真鍮製ミル)に投入した。
ガリガリ、ガリガリと、静かなキッチンに小気味よい音が響き渡る。均一な速度でハンドルを回す彼の前腕には、うっすらと筋肉の筋が浮かび上がっていた。部屋中に、香ばしくもどこか甘い、濃厚な珈琲の香りが広がり始める。
「温度は、八十八度から九十度の間。これが最も雑味を出さず、豆のコクを引き出す……」
温度計を差し込んだ電気ケトルを見つめ、ドイツは小さく頷いた。デジタル表示が「89℃」を指した瞬間、彼はスイッチを切り、細口のドリップポットに湯を移し替える。
ドリッパーにセットされたペーパーフィルター。その中央に、挽きたての粉が美しい円錐形の山を作っている。
ドイツはポットの先を極限まで近づけ、細い糸のようなお湯を、中心から外側に向かって「の」の字を描くように静かに落とした。
――ポタ、ポタ。
乾いた粉が湯を吸い、まるで生き物のようにぷっくりと膨らむ。炭酸ガスが抜け、表面に美しいチョコレート色の泡が盛り上がってきた。
「よし、ここで二十秒の蒸らしだ」
ナチは心の中で正確にカウントを始める。一、二、三、四……。
「おはよーーーっ! ナチっ! 最高のモーニンッ!!」
「うおあああっ!?」
突如として背後から炸裂した大音量のボイスに、ナチの心臓は文字通り跳ね上がった。
驚きのあまり、ポットを持つ手が大きくブレ、せっかくの美しい泡の山にドバドバと大量のお湯が注がれてしまった。ナチの二十秒の計算が、一瞬にして湯の泡と化したのである。
「イタ王オオオオオ!!」
ナチが鬼の形相で振り返ると、そこには両手を広げて満面の笑みを浮かべるイタ王が立っていた。
イタ王 は仕立ての良いグリーンのカーディガンを羽織っている。彼の周りだけ、まるでベネチアの明るい太陽が差し込んでいるかのようにキラキラとしたエフェクトが見えるようだった。
「ひゃあ!? な、何怒ってるのナチ! 朝からそんなに怖い顔してたら、せっかくのイケメンが台無しだよ?」
「お前という奴は……! 何度言ったらわかるんだ! 私がコーヒーを集中して淹れているときは、半径二メートル以内に近づくなと、あれほどハウスルールに……! おかげでお湯の配分がめちゃくちゃだ!」
「えー? だって、すっごく良い匂いがしたんだもん! 俺の鼻が『起きて! ナチが美味しいもの淹れてるよ!』って歌ったんだよ!」
イタ王は全く反省する様子もなく、むしろナチの怒りを心地よいBGMとでも思っているかのように、ステップを踏んでキッチンカウンターの椅子に腰掛けた。
「ほらほら、それより聞いてよナチ。主様がさ、39人記念で何やるか募集してたじゃん? あのときみんなから『俺たちの日常を長く見たい』ってリクエストがたくさん届いたらしくてさ、今まさにこうやって小説にしてもらえてるんだよ! 感動だよねぇ、すでにフォロワーは46人になってるけど!」
「主様だの募集だの、お前はまた朝からわけのわからないメタ発言を……。……ああっ、お湯の温度が下がってしまったではないか……」
ナチはガックリと肩を落とし、無惨に薄まってしまったサーバーの中の液体を見つめた。職人のプライドが、朝一番で粉々に打ち砕かれた瞬間だった。
2.緑茶の静寂と、静かなる巨人
「おはようございます。朝から活気があって素晴らしいですね」
パタパタと、小気味よいスリッパの音と共にキッチンに現れたのは日帝だった。
彼は綺麗にアイロンの掛けられた和柄の作務衣を着ており、右手には歴史を感じさせる木製の盆を持っていた。 盆の上には、お気に入りの美濃焼の湯呑みが二つ、そして年季の入った茶筒が乗っている。
「あ、日帝! おはよう! 見て見て、ナチが朝からカンカンに怒ってるんだよ。面白いよね!」
「イタ王 さん、おはようございます。ナチさんをあまりからかってはいけませんよ。彼の朝のコーヒーは、我々でいうところの『朝のお勤め』のようなものですから」
「日帝……! お前だけだ、私の繊細なタイムスケジュールを理解してくれるのは……!」
ナチが涙目で日帝を見つめると、日帝は困ったような、しかしすべてを包み込むような微笑みを浮かべた。
「いえいえ。ですがナチさん、あまり怒ると血圧が上がりますよ。ほら、私の持ってきた新茶でも飲んで、一度心を落ち着かせてください」
「すまない、日帝……。いや、だが私はコーヒーを……」
日帝は慣れた手つきで急須に茶葉を入れ、少し冷ましたお湯を注ぐ。彼の一連の動作は、ナチの「精密機械のような正確さ」とはまた違い、「流水のような自然さ」を持っていた。
日帝が湯呑みに緑茶を注ぐと、キッチンは一瞬にして、静かで凛とした空気に包まれた。珈琲の香りと緑茶の香りが、空間の真ん中で不思議と調和している。
「ふぅ……」
ナチが緑茶を一口すすり、ようやく人間に戻ったような息を吐いた。
「美味いな、日帝」
「それは良かったです。静岡のこだわりのお茶なんですよ」
そんな和やかな空気の中、リビングの大型ソファの影から、地鳴りのような低い音が聞こえてきた。
「……ううぅ……ん……」
ずるり、ずるりと、ソファの上に掛けられていた超特大の熊の毛皮のようなデザインの極厚毛布が動き出す。
その毛布の隙間から現れたのは、目をしょぼつかせたロシアだった。
ロシアは身長が二メートル近くある大柄な青年だが、今は眠気のせいで完全に脱力しており、トボトボとした足取りでキッチンへ進んできた。
ロシアさん、おはようございます。よく眠れましたか?」
「日帝……おはよう……。ううん、全然眠れない。夢の中で、ずっと冷たいシベリアの風に吹かれながら、巨大なマトリョーシカを組み立てさせられる悪夢を見てた……」
「それは……なんというか、非常に国家的な悪夢ですね……」
日帝が苦笑いする。
ロシアはカウンターに両肘をつくと、完全に脱力してナチの方を見つめた。
「ナチ……僕にも、その『黒くて苦い、大人の水』をちょうだい……。頭が全然動かないんだ。ウォッカを飲んでもいいけど、お父さんに怒られるし……」
「朝からウォッカを飲むな! あと、これは『黒くて苦い大人の水』ではない、コーヒーだと言っているだろう! ……まぁ、イタ王のせいで少し味が薄くなってしまったが、それでも良ければ飲むか?」
「うん……飲む。薄くても、ナチが淹れたならきっと美味しいよ」
ロシアが子供のような純粋な目でそう言うと、ナチは 「ふん、お世辞を言っても何も出んぞ」とそっぽを向きながらも、嬉しそうにロシアの分のマグカップを取り出した。
「おいおい、私を置いて朝のミーティングを始めるなと言ったはずだが?」
キッチンのドアが静かに、しかし圧倒的な威圧感を持って開け放たれた。
そこに立っていたのは、長いソビエト連邦の軍服コートを肩に羽織ったソ連だった。彼の瞳は冷徹なまでの鋭さを持っているが、その手にはなぜか、可愛らしいピンク色のクマがプリントされたマグカップが握られていた。
「お父さん、おはよう」
ロシアが少しだけ背筋を伸ばす。
「ソ連、おはよう。お前も起きたのか。相変わらず足音があまりしないな」
ナチがカップを準備しながら言う。
「ふん、元軍人たるもの、気配を消して動くのは基本中の基本だ。それよりナチ, 私のコーヒーには、砂糖をスプーンで五杯、いや、六杯入れてくれ。それと練乳があればそれも追加だ」
「……ソ連、お前はいつか確実に糖尿病になるぞ。それはもはやコーヒーではなく、コーヒー風味のシロップだ」
「何を言う。労働者には脳を動かすための糖分が必要なのだ。それにしても、39人記念の企画募集から始まったというのにすでに46人とは、このハウスの拡大速度は我が国の五カ年計画を上回るな。読者の諸君には感謝せねばな」
「だからそのメタ発言をやめろと言っているだろう!」
朝のキッチンは、一瞬にして賑やかな状態へと突入していった。
3.現代っ子たちの襲来と、トースターの戦火
「おはよーございまーす! わあ、今日も朝からやってるね!」
そんな一触即発の空気を、一瞬で爽やかなストリートの風に変えてしまったのが、現代の枢軸国(現枢軸)の三人組だった。
先頭を切って入ってきたのは、現代のドイツ(通称:現独)だ。彼はナチと違って、少し崩したパーカー姿で、手には最新のスマートフォンを握っている。
「みんなおはよう。ナチさん、コーヒーのいい匂いに釣られて、現伊がベッドから飛び起きたよ」
「パパー! お腹空いたー! 今日の朝ごはんは何ー!?」
現独の後ろから、まるで子犬のように現れたのは現代のイタリア(現伊)だった。彼はイタ王の服の裾をギュッと掴み、おねだりをするような目をしている。
よしよし、現伊ちゃん。お腹が空いたんだね! じゃあ、お兄さんが最高のトーストを焼いてあげよう!」
イタ王が嬉しそうに現伊の肩をポンポンと叩く。
「ええ、食パンなら昨日、私が特売のものを三斤ほど買ってありますよ」
最後に入ってきた現代の日本(現日)が、ビニール袋に入った大量の食パンをカウンターに乗せた。現日は、タブレットPCを片手に今日の天気をチェックしている。
「よし、現日! そのパンを今すぐ焼くんだ! 私は腹が減って倒れそうだ!」
ソ連がピンクのマグカップをテーブルに叩きつけるように置いた。
「わかりました、ソ連さん。では、トースターを稼働させますね」
現日と日帝が協力して、四枚焼きの大型トースターに食パンを敷き詰めていく。
カチャリ, とレバーが下げられ、トースターの内部がオレンジ色にポッと明るくなった。香ばしい小麦の香りが、コーヒーの香りに上書きされていく。
「おい、ロシア。お前、また私のジャムを勝手に狙っているだろう」
ソ連がじろりとロシアを睨む。
ロシアの手は、すでに冷蔵庫の中から 「特製イチゴジャム(ソ連の手作り)」の瓶を確保していた。
「だって、お父さんのジャムが一番美味しいんだもん。ロシアのボルシチには合わないけど、パンには最高だよ」
「……ふん、まぁ、美味いのは確かだがな。だが、半分は残しておけよ。フォロワーがさらに増えた時のお祝い用に残すんだ」
「はーい」
ロシアがスプーンでジャムをたっぷり掬い、焼き上がったばかりの熱々のトーストに塗りたくる。
その時、トースターの「チン!」という小気味よい音が響いた。
「よし、トーストが焼けたぞ! 現伊、お前の分だよ!」
イタ王が皿に盛ったトーストが現伊に手渡される。
「わーい! ありがとう! ……あ、でも、バターがないよ?」
「あれ? バターは確か、冷蔵庫のドアポケットに入れたはずだけどなぁ」
イタ王が冷蔵庫を探すが、バターが見当たらない。
ふと見ると、テーブルの端で、現独が非常に気まずそうな顔をしてトーストにバターを『これでもか』というほど厚く塗っていた。
「あ……すいません。僕、無意識のうちに全部使い切っちゃったみたいです……」
「現独ーーー!! お前という奴は、そんなところまでナチに似て、乳製品の消費量が過激なんだから!!」
現伊がぷくーっと頬を膨らませて怒る。
「いや、我が家の家訓として、パンには厚いバターが必須なんだ! これだけは譲れない!」
現独が必死に弁明する。
「ふふ、大丈夫ですよ。私のエリアから、予備のマーガリンを持ってきましょう」
日帝が微笑みながら立ち上がる。
「すまない、日帝。いつもお前の備蓄に救われるな……」
ナチがため息をつきながら、ようやく全員分のコーヒー(と、ソ連用の超激甘シロップ液)をテーブルに並べ終えた。
ひとつの大きなダイニングテーブルを囲む、八人の男たち。
かつての世界の枠組み、新旧の世代、そんな境界線(ボーダーライン)は、この温かい湯気の前では何の意味も持たなかった。
「それでは、皆さん。遅れてきた39人記念、そして現在の46人への感謝を込めて……今日も一日、元気に過ごしましょう」
日帝の言葉を合図に、全員がそれぞれのカップを掲げた。
「「「いただきます!!」」」
ガヤガヤと騒がしい声が、シェアハウスの窓から青空へと吸い込まれていく。
彼らの、何でもない、けれど絶対に手放したくない平和な一日が、こうして幕を開けたのだった。
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改めまして、第1話にお付き合いいただきありがとうございました!
今回はイタ王の口調を変更したことで、ナチとの小気味よい凸凹コンビ感や、現伊との息ぴったりなやり取りがさらに引き立つ形になりました。
企画募集の際に「みんなの絡みがとにかく長く見たい!」と言ってくださったフォロワー様たちの顔を思い浮かべながら、私自身もノリノリで筆を動かしています。
次回は、そんな個性豊かな8人がひとつの暖房器具に文字通り吸い寄せられ、身も心もとろけてしまうお話です。
というわけで、このまま【第2話:コタツという名のブラックホール】へ進みます!
2話目に向けて、コタツの中での席順や「こんな会話をさせてほしい!」という具体的なリクエストがあれば、ぜひ教えてくださいね!
コメント
3件
あー、もう、めっちゃ良かった……!🥀 朝のシェアハウス、キッチンから漂うコーヒーの香りまで感じられるみたいだった。ドイツのコーヒーへの執念と、それをぶち壊すイタ王のコンビ、最高に好き。日帝の緑茶で静寂が戻る瞬間も、すごく自然で「ああ、この家、本当に平和だな」って思えた。 ロシアの悪夢が「シベリアの風とマトリョーシカ」って、らしすぎて笑った。ソ連のピンクのマグカップも可愛くてギャップ萌え。 何より、新旧の枢軸が一つのテーブルを囲む光景が、ただの夢物語じゃなくて「あってほしい日常」として胸に沁みました。第2話も絶対読みます…!