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(前回の続きです)
その様子を咲良がじっと見ていた…
アパートに帰ると、咲希は余計惨めな気持ちになった。
(…いっっもそうだった!私は叱られてっ お姉ちゃんは誉められてっ)
昔から姉は何でもできる子だった。勉強もできて、運動もできて、おまけに美人でいつも尊敬されていた。だが、咲希は勉強も運動も顔つきも中ぐらい。それだけならまだよかったのだが、中学生、高校生と上がっていくうち、少しずつ下がっていった。平均よりは上だったが、姉が優秀なため、どうしても劣って見えた。美容師国家試験だって、咲良に教えてもらい、ギリギリ合格したのだ。
(「少しは咲良を見直えよ!」なんて、何回言われてきたことか…
そのたびに惨めな気持ちになるのなら、もう美容師辞めようかな…) すると
コンコンッ ガラッ
咲希の部屋のドアが開き、咲良が入って来た。
「咲希…ちょっと話したいことがあるんだけど…」
「なぁに? 咲良お姉ちゃん」 咲希は無理やり笑顔をつくる。
その様子を苦しそうに見てから言った。
「これが机から出てきたの。覚えてる?」
「はっ」 っと咲良は息をのんだ。
今日はここまでです!見ていただき、ありがとうございました!(*^-^*)