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7月の空と川

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7月の空と川

4 - 第3章 隠し事

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2022年05月11日

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第3章 隠し事


「〇ぬ?なんでうちに聞くのw」

「あ、いえ、何となく…」

「…へー、」

その時の玲さんは、様子がおかしかった。いや、いつもおかしいから、きっと気の所為だろう。だが、何故だか哀しく見えた。

「…怖いんじゃない?」

「やっぱそうなんですかね。」

「そうだよ。だって皆とさよならしなくちゃいけないんだから!怖いし、悲しいっしょ!」

焦っている?そう見えた。

「はいこの話は終わり!次行こ!」

「まだやるんですか…」

「当たり前でしょ!」

話を逸らされて、しかも無かったことにされているような気がしたが、めんどくさいから気にしない。そう思いたかった。

「じゃあ、今回は私からで」

「お!積極的ぃ♡」

…気持ち悪。なんで語尾にハートなんてつけてるんだろうか。男ウケを狙ってるのか。それとも阿呆か。

「玲さん、隠し事してますか?」

「へ?」

「いやだって、さっきから明らかに変じゃないですか?」

「…」

沈黙が続いた。恐らく答えは「している」なのだろう。言えない理由があるのだ、きっと。だから隠し事をしている。私はこう見えても、成績は学年トップに近い。観察力も人より優れている。人の異変に気づくのは得意だった。そして、深堀しすぎる癖があった。

「…答えは『ない』!」

「…そう、ですか」

「そうだよ〜wだって、私が隠し事出来るように見える?」

「それ自分で言います?」

「あはは!」

玲さんは笑っていた。私も、笑った。でも、笑えていなかった。

「はい次うち!」

「どうぞ。」

「雫、隠し事してるでしょ」

「…それ質問ですか?」

「質問でしょ!んで、どうなの?」

答えたくない。答えてしまったら、幻滅される。おかしいと思われてしまう。”また”人が離れて言ってしまう。

「…してません」

「うっそだ〜」

「ほんとですよ!」

「ふーん?ならいいや!飽きた!他のことしよ!」

安心した。帰れる、終わったと言うよりも、バレなかった、離れていかなかった。という気持ちの方が強かった。

「ゲームって…何するんですか?」

「ふっふっふ…それは〜」

「それは…?」

「お互いの隠し事を当てるゲーム!」

「…は?」

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