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7月の空と川

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7月の空と川

5 - 第4章 ズバリ

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2022年05月26日

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デリカシーという言葉は、ここには存在していないらしい。安堵から不安に切り替わった瞬間が、手に取るように分かった。その事が、相手に気づかれないようにすることが精一杯だった。

「もしこのゲームでうちに勝ったら、家に帰してあげる!」

どうする。どうすればバレない?嘘をつけばいいのか?いや、嘘はいずれバレる。意味が無い。本当のことを言うべきなのだろう。自分の中で答えははっきりしているのに、心が問いただしてくる。『それは、本当に正解の道?』と。何が正解かなんて、何度聞かれても分からない。いや、分かりたくない。

「あれ、聞いてる?おーい?」

「あ、すいません。ぼーっとしてました笑」

「も〜wちゃんとしろよな〜w」

「ごめんなさいw」

「いい?このゲームに勝ったら、あんたを家に帰してあげる!」

「ほんとですか!」

「うちに二言はない!」

「なら、やります。」

「よし来た!早速私が当てちゃおっかな〜」

「当てれるんですか?w」

「あったりまえよ!ってか、もう分かってるし!」

わかっている。嘘。そんなはずは無い。今までの間でバレるようなことはしていない。でももし、本当に分かっていたとしたら。私には誰1人として、話す人がいなくなってしまう。また孤立してしまう。

「ズバリ!」



「さっき、自殺しようとしてたでしょ」

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