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AttentionとSettingは第1話をご覧ください。
遅くなり申し訳ない。
start.
🍌side
学校生活には、だいぶ慣れた。
ただ、いまだに慣れないことがある。
🐷「おんりー!!おはよ〜」
🍌「お、おはよ…」
毎日menと登下校をすることになったことだ。
毎日のように誘ってくれる。
昔は、無邪気にランドセルを背負って帰ったものだ。
ただ、今は話が違う。
🐷「でさぁ〜」
楽しそうに話すmenを見ていると…、
どうしてもドキドキしてしまう。
いいのか…?
こんな青春、
俺が味わって。
…毎日が楽しい。
ある日の放課後。
窓の外から、ぱらぱらと雨音が聞こえてきた。
「うわ雨じゃん」
「傘持ってねぇよ…」
教室が、少しざわつく。
おんりーも、窓の外を見て、
小さく息を吐いた。
🍌「やば…」
傘、持ってきてない。
止むまで待つか、と席に座ったままでいると、
後ろから声がした。
🐷「帰んないの?」
振り向くと、menが鞄を肩にかけて立っている。
🍌「いやぁ…傘忘れてきちゃって、」
🐷「あー」
少し考えるようにしてから、menが自分の傘を軽く見せた。
🐷「入ってく?」
🍌「え?いやいやいや」
思わず首を振る。
相合傘……ってことだよね。
恥ずかしすぎて、とてもできない。
🐷「なになに〜?相合傘が嫌なの?」
イタズラっぽくmenが笑った。
🍌「なっ…!//」
🐷「え図星?w」
🍌「そ、そんなんじゃないって!」
🐷「ほらどうする?」
🍌「……入ります」
ふはっとmenが笑う。
🐷「ほら行こうぜ」
🍌「ちょ、待って!」
慌ててmenを追いかける。
玄関を出ると、menが傘を少し、
俺の方へ傾けた。
🍌「menが濡れちゃうよ…」
🐷「俺はいいよ別に」
アピカQ⭐️❄️🎨_qdm
772
🍌「よくない!」
そう言って、傘の傾きを修正する。
思ったより——近い。
肩が時々ぶつかる。
雨が傘に当たる音だけが、静かに響く。
🍌「……」
🐷「……」
心臓が落ち着かない。
横を見ると、menは普通に前を向いて歩いている。
そのせいで、余計にmenを意識してしまう。
🍌「menさ」
🐷「ん?」
🍌「しれっとまた俺の方に傘傾けたよね?」
🐷「…バレてたかw」
🍌「もー…」
また傘を押し返そうかと考えたが、
やめた。
優しさはそのまま受け取ろう。
🍌「…ありがと」
🐷「いえいえ」
そんなやりとりをしていると、前からクラスの女子が歩いてきた。
「あれ?」
「冥人くんじゃん!」
「え、ちょ…」
「相合傘じゃん!」
🍌「ち、違うって!」
いや…、違くはないんだけど、さ。
慌てて否定するおんりーの横で、menは笑っていた。
🍌「もー…、言ったじゃん…」
🐷「別に…ッフいいだろ…w」
🍌「なんで笑ってんのさ!」
🐷「必死に否定しすぎw」
🍌「なっ……//」
でも。
本当は、全然嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。
やがて、分かれ道に着く。
🐷「じゃ、また明日」
🍌「早く風呂入れよ」
🐷「…ん?」
🍌「風邪引くじゃん、それ」
menの濡れた肩を指差す。
🐷「…さんきゅ」
🍌「じゃ」
背中を向けて、歩き出す。
でも、
心臓はずっと、うるさいままだった。
🐷side
おんりーと別れて、1人で帰路につく。
脳内で、おんりーの言葉を反芻する。
(🍌「ち、違うって!」)
(🍌「なっ……//」)
……耳、真っ赤だったな。
はぁあああああ…。
こっちまで照れる…。
期待、しちゃうって…。
あんな顔されたら。
相変わらず、おんりーとは、
毎日のように一緒に帰っていた。
他愛のない話ばかりだけど、
その時間が、やけに楽しくて。
気付けば——
7月になっていた。
先生「来月は体育祭があるぞー」
先生の声が、教室に響く。
「えー楽しみ〜!!」
「絶対優勝しようぜ!」
うちの学校は、団対抗ではなく、
クラス対抗で体育祭が開催されるらしい。
先生「今日のホームルームで誰がどの競技に出るか、話し合っておけよー」
「えー!?」
「どうしよっかな…?」
早速、誰がどの競技に出るか、
話し合いが弾んでいる。
🐷「楽しみだな」
🍌「ね!」
「クラス対抗リレー、勝ちたいよなぁ!」
「1番得点高いからな!」
競技の結果ごとに各クラスに得点が与えられる。
クラス対抗リレー優勝クラスは100点。
……でかい。
「誰か足速い奴いるー?」
優勝するために、アンカーを探し始めた様子だ。
「冥人って確か足速くなかったっけ?」
🐷「え、俺?」
予想外の展開に少し、戸惑う。
「100m走タイムは?」
🐷「え、まぁ11秒くらいだけど…、、」
「冥人くんすごい!!」
「かっこいい〜!」
「お前もう陸上部入れよ…」
🍌「それなw」
🐷「いやいや…」
……おんりーと一緒に帰る時間なくなるから、嫌なんだよ。
———なんてことは、もちろん本人には言っていない。
「じゃあ冥人はクラス対抗リレーアンカーで」
🐷「え、ちょ」
🍌「足速いんだしいいじゃんか」
おんりーまで後押しするか…!
🐷「いや、負けた時の責任がデカすぎてさぁ…」
🍌「でも勝ったらかっこいいよ?」
少し、間をおく。
かっこいい…、か…。
おんりーがそういうなら、
まあ悪くない。
🐷「俺出るわ」
「ナイス〜」
「頼むよ!!」
🍌side
menのアンカー入りが決まった。
……かっこいいんだろうな。
勝手に、妄想が膨らむ。
「あとは…、音璃か」
🍌「あはは…、」
名前を呼ばれ、我にかえる。
実は。運動がそこまで得意じゃない。
至って平均だ。
なんせ、幼馴染が化け物すぎて、
凡人は霞むんだよなぁ…w
🍌「…後何余ってる?」
「借り物競走だな」
🍌「じゃあそれで」
🐷「走れんの?」
🍌「失礼なっ!」
🐷「冗談ですがなw」
「よし、これで全員決まったな」
「絶対優勝するぞー!!!」
「おーーー!!」
教室内に、声が響く。
「なぁ、昼休みとか練習する?」
「リレーだけでもやっとく?」
クラスの男子たちが、前の方で話している。
「冥人、マジで頼むぞ」
「アンカーだからな?」
🐷「プレッシャーかけんなって」
そう言いながらも、どこか楽しそうに笑っている。
🍌「人気者だねぇ」
からかうように言うと、
🐷「やめろよ」
と、少し照れたように頭をかいた。
「でも冥人速いのはガチだよな」
「春のスポーツテストみたいなやつやばかったよな」
🐷「……覚えてねぇな」
「なんでだよ!w」
🍌「大変だなぁ」
他人事のように言うと、menがこちらを見る。
🐷「おんりーも借り物競走あんじゃん」
🍌「あれは速さとかじゃないんでね」
そう言いながら、ふと想像してみる。
体育祭当日。
グラウンドを走る自分。
……あんまり想像できない。
「借り物競走って何書いてあるんだろうな」
「基本的には人らしいぞ?」
「生徒会が『そっちの方が面白いから』ってさ」
🐷「校長連れてこいとか?」
クラスが、また笑いに包まれる。
🍌「地味に地獄w」
🐷「おんりーなら涼しい顔して一緒に走ってそうだけどな」
🍌「どんなイメージだよw」
🐷「じゃあさ」
menが少しだけ意地悪そうに笑う。
🐷「好きな人、とかだったら?」
🍌「……は?//」
一瞬、思考が止まる。
「音璃照れたー!!」
「好きな奴いんのかー!?」
「誰々!?」
🍌「な、何言ってんのさ!」
🐷「いや、ありそうじゃね?」
🍌「あるわけないって」
そう言いながら、なぜか顔が熱くなる。
🐷「おんりー顔赤くね?」
🍌「赤くない!」
「音璃照れすぎw」
「冥人あんまいじめんなよー?w」
🍌「もー…、」
ただ、少し想像してしまった。
堂々と、好きだって言えたら…。
いや、俺には無理だ。
「昼休みグラウンド見に行かね?」
「リレーのコースとか貼ってあるらしいぞ?」
🐷「マジ?行くわ」
🍌「俺はいいや」
🐷「え、来ねぇの?」
🍌「人多そうだし」
本当は、一緒に行きたいけど。
なんとなくそう答えた。
🐷「んじゃ見てくるわ」
🍌「いってら」
そう言って、menはクラスメイトと一緒に教室を出て行った。
残された教室は、少しだけ静かになる。
🍌「……」
机に頬杖をつく。
体育祭、か。
menがアンカーで、
自分は借り物競争。
なんだか、ちょっとだけ楽しみだ。
窓の外を見ると、掲示板の前に人が群がっている。
その景色をぼんやりと眺めながら、
🍌「……頑張るか」
小さく呟いた。
放課後。
🐷「おんりー?」
🍌「ん?」
🐷「帰ろー」
🍌「ん」
毎日のように、誘ってくれる。
…嬉しい。
教室をでて、廊下を歩く。
🐷「なぁおんりー」
🍌「何?」
🐷「俺アンカーになったじゃん?」
🍌「なってたね」
少し、menが黙り込む。
🍌「どしたの?」
寂しそうに、口を開いた。
🐷「バトンパスとかの練習あってさ、
しばらく一緒に帰れない」
少しの間、沈黙が続く。
🍌「そ……っか」
一瞬、胸の奥が沈む。
でも、それを悟られないように、
笑って見せた。
🍌「アンカー、頑張れよ」
🐷「すまんな」
一緒に帰れないのは残念だけど…、
まあ仕方ない。
ただ、少し気になることがある。
🍌「ちょっと…、聞くけどさ?」
🐷「?」
🍌「今日から練習だー!ってクラスのやつ意気込んでたけど…?」
🐷「……え?」
menが見たことのない顔をしている。
🐷「……まじ?」
🍌「まじ」
あの話、聞いてなかったのか。
🍌「……早く、、行った方がいいんじゃない?」
🐷「………行って、、くるわ…」
🍌「頑張って!」
🐷「……おう!」
menが校庭の方へ走っていく。
その背中を、なんとなく見送った。
🐷side
誰だよ今日から練習とか言った奴…!!
校庭に到着すると、クラスメイトが数人集まっていた。
「おー冥人来たか!」
「お前が頼りなんだっ」
「がんばろうぜ!」
🐷「おう!勝とうぜ!」
準備運動をして、バトンパス練習が始まる。
「冥人っ!!」
🐷「うっし」
次々とバトンパスが成功する。
「俺ら上手くね?」
「上手いな」
すると、
「きゃぁ〜!!」
「かっこいいー!!」
黄色い声が、校庭に響く。
上の方を見ると、女子が校舎内からこちらを見ていた。
「冥人くーん!!」
「こっち見た!?」
「あんたじゃないわよ」
……はぁ。
おんりーがいたらなぁ…。
って、バカ。
……どこまでおんりーのこと好きなんだよ。
「おい冥人〜」
「女子人気奪うなよ〜」
🐷「いや俺のせいじゃねえって」
「あん中にいねぇの?好きなやつ」
「モテるから困んなそーだよな」
🐷「うるせぇ」
他の奴らから羨望の眼差しを向けられる。
女子人気なんていらねぇんだよな別に…。
……振り向いてくんねぇかな。
俺に。
🐷「俺好きなやついるから」
一瞬、空気が止まる。
つい、口が滑った。
「えまじ!?」
「誰々!?」
🐷「言わねぇよw」
「えー!」
🐷「お前ら女子かよw」
「男も恋バナとやらをしてみたいんだよ!」
🐷「そうかよw」
🐷「ほら練習すんぞ」
「うぇ〜…」
「いつか教えろよ!」
🐷「いつかな」
……いつか、な。
4906文字。
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