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その日、皇帝陛下がお部屋にいらっしゃり、私は外出許可証について尋ねてみる事にした。
「あのぅ、皇帝陛下?」
「何だ?」
「が、が、が…」
「蛾?」
「違います、それは害虫にございます。」
ボケる皇帝陛下にツッコミを入れ、私は話を切り出した。
「先日、皇帝陛下とデートに参ったでしょう?」
「はぁ?
そのような事知らぬぞ!
誰と行ったのだ!?」
「ですから、陛下と!
ダンジョン・スレアに行ったではありませんか!?」
「あぁ…
アレ、デートなのか…?」
「とにかく!
その時に手に入れた稲の原種をエドルの街に植えたいのです!
それに、エーラの貿易も監督したいですし…!
それから、ルードラは私が復興させた街にございますし!」
「分かった、分かった!
外出許可証であろう!?」
「返してくださるのですか!?」
「じょ、じょ、条件があるがな…!」
「どんた、条件も飲みますわ!」
「言ったな!?
では、俺に口付け致せ…!」
「は…???」
「えぇい!
2度も言わすな!
口付けせよ、といっておるのだ。」
「いや、しかし…」
私は想定外の条件に焦る。
なぜいつもいつも口付けなのか!?
決闘でもした方がまだ気が楽だ!
「わ、わ、わかりました…
目をつぶってください…」
「そ、そ、そうか!
ほら、瞑ったぞ!」
私は意を決して陛下の唇に口を寄せた。
しかし、あと1センチが縮まらない!
ダメだ!
と思った瞬間、皇帝陛下が目を開き、私の腕を引き寄せた。
もちろん、その勢いで、私は皇帝陛下と口付ける。
「ンッ…」
軽く口付ければ良いだろうと思っていたが、皇帝陛下の舌は私の口の中に入って来た…!
「へぃか…っ…!
ンッ…」
離された時には、1分間は経っていた。
「あぁ…
美味であった…」
「な、な、何をされるのですかッッ!?
口の中に入るなど、あってはならぬ事ですわ…!」
「…は?
普通であろう?
何だ…?
した事が無いのか?」
「もうっ!
お帰りください!!!
顔も見たくありません!!!」
「そう、恥ずかしがるな。
どれ、俺がもっと教えてやろう!」
「どすけべ!
変態!
あほう!」
私は枕を陛下に投げつけ、さらには、本まで投げつけた。
「分かった、分かった!
初心な奴だ。
外出許可証は明日渡すゆえ、本城に取りにまいれ。」
そうして、皇帝陛下は逃げるように、しかし、スキップしながら帰って行った。
とんだどすけべ陛下だわ!
しかし、これで外出許可証が手に入った!?
のよね?
私は震える足から、崩れて、ベッドに横になった。
あんな口付けは初めてだった。
あんなとろけるような口付け…
な、な、なによ!
経験が無いからと馬鹿にして!
戦においては私の方が上なのに!!!
そんな変な対抗心を燃やしながら、眠りについたのだった。