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シーツに両手を突いた恰好の彼と、つぶさに見つめ合う。
「……だが本当に、このまま寝るだけでいいのか?」
膨らみを捕らえた指が、わずかに揺らぎ、胸の尖頭を上滑って、
「……ん」と、艶めいた声が喉元から洩れる。
「いい……。だけど、感じちゃうかもしれない……」
「それは、私も同じだ」
赤らむ頬に、彼の手がひたりと添えられる。
「君に指摘されたように、疲労もあるからあからさまにとはならなくても、」
秘密を打ち明けるように、彼がひそめた声で話して、
「……愛しているのだから、感じるのも当たり前だろう」
そう甘ったるく囁きかけると、唇にしっとりとしたキスを落とした。
「貴仁さん、愛してる……私も」
キスを送り返して、
「……抱いて、いて」
滑らかで広い背中に両腕を回し、その身体を抱き寄せる。
「ああ、ずっと抱いていよう」
抱き合うと、互いの胸が密着して吸い付くようだった。
「あなたの温もりが伝わる」
「私にも、君の体温が伝わってくる」
彼の手の平が、私の胸を下から掬い上げて柔らかく包み込む。
「あっ……ん、そんなことされたら……」
目の縁が仄かに赤く染まるのを覚えて、小さく口に出すと、
「そんなことをされたら、なんだ? ……言ってみなさい」
胸の先にチュッと唇で触れられ、いつにない命令口調を投げかけられた。
私を見下ろす彼のクールな顔立ちに、その口ぶりが言いようもなく嵌まっていて、ドキリとさせられる。
「……いじわる。今日の貴仁さん……」
上目遣いに見やる私の視線をじっと捕らえて、
「そう感じるのだとしたら、話したように君が足りずに、私は欲しすぎて求めすぎているのかもしれない」
そんな情熱的なことを吐くから、ますます鼓動はドキドキと早まるばかりだった──。