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イベント当日。
ホテルの庭園は色鮮やかなライトで彩られ、夜空には屋台の明かりと笑い声が広がっていた。
「わぁ……すごい……」
華は目を輝かせながら、並んだ屋台やステージを見渡す。
いつもの仕事場とはまるで別世界のようで、胸が高鳴った。
「楽しんでください。今日は仕事じゃありませんから」
律は普段のスーツ姿ではなく、カジュアルなシャツ姿。
その少しラフな雰囲気に、華の胸がさらに熱を帯びる。
「律さん……なんだか、いつもと違って見えます」
思わず本音を漏らすと、律は苦笑した。
「そうですか? 桜坂さんの方が、よほど華やかですよ」
その一言に、華の顔は一気に赤くなる。
「……も、もう、そんなこと……」
花火の時間が近づき、二人は人混みを抜けて庭園の奥、池のほとりに腰を下ろした。