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ひたむきに、あなたへ

166 - 最終章 ひたむきに、あなたへ 第166話

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2025年09月12日

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イベント当日。

ホテルの庭園は色鮮やかなライトで彩られ、夜空には屋台の明かりと笑い声が広がっていた。


「わぁ……すごい……」

華は目を輝かせながら、並んだ屋台やステージを見渡す。

いつもの仕事場とはまるで別世界のようで、胸が高鳴った。


「楽しんでください。今日は仕事じゃありませんから」

律は普段のスーツ姿ではなく、カジュアルなシャツ姿。

その少しラフな雰囲気に、華の胸がさらに熱を帯びる。


「律さん……なんだか、いつもと違って見えます」

思わず本音を漏らすと、律は苦笑した。

「そうですか? 桜坂さんの方が、よほど華やかですよ」


その一言に、華の顔は一気に赤くなる。

「……も、もう、そんなこと……」


花火の時間が近づき、二人は人混みを抜けて庭園の奥、池のほとりに腰を下ろした。

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