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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第8話読みました!朝の光が差し込む場面、本当に美しかったです。特に「観測領域が拡張してる」という司書の台詞――世界の定義そのものが変わっていく感じがして、ゾクゾクしました。返却拒否体が「澪」と名前を得て、初めて自分の意思で笑うシーン、胸が熱くなりました。図書館が新しい存在を受け入れる鈴の音、素敵すぎます。続きが待ち遠しいです!
第十八話 朝を知らない図書館
夜明けの光は、最初とても弱かった。
壊れかけた夢の隙間から漏れるみたいな、淡い青。
でも。
その光が図書館へ差し込んだ瞬間。
無数の星々が、静かに震えた。
⸻
私は思わず窓際へ近づく。
外の景色が見える。
……いや。
“外”なんて、本当は存在しなかったはずなのに。
今まで窓の向こうには、夜しかなかった。
終わらない深夜。
星だけの空。
でも今は違う。
遠くの地平線が、少しずつ白み始めている。
⸻
司書が呆然と呟く。
「観測領域が……拡張してる」
「どういうこと?」
「この図書館は、“夜”に固定されていたんです」
彼は窓へ近づく。
その横顔は、どこか困っているのに、少し嬉しそうでもあった。
「未練は夜に近い」
「終われなかった感情だから」
私は静かに聞く。
司書は頷いた。
「だからこの場所に朝は必要なかった」
星々を見上げる。
「でも今、定義が変わった」
⸻
【未練:存在していた時間の残響】
あの文字が頭をよぎる。
未練は、異常じゃない。
終われなかったものだけでもない。
“存在していたこと”そのもの。
なら。
夜だけじゃ終わらない。
⸻
返却拒否体も、窓の外を見ていた。
崩れていた輪郭が、以前よりはっきりしている。
『……きれい』
その声は、もうほとんどノイズが混ざっていなかった。
私は少し笑う。
「うん」
すると返却拒否体は、戸惑うように胸元へ触れる。
小さな星核。
淡い青白い光。
『……これ』
司書が静かに言う。
「恒星核です」
「恒星核?」
「あなたの未練が、安定化を始めている」
返却拒否体が目を瞬かせる。
『……わたし、は』
司書は少し迷ったあと、やわらかく続けた。
「もう、“拒否体”じゃない」
空気が静まる。
返却拒否体の瞳が揺れる。
たぶん。
ずっと“異常”として呼ばれてきたんだ。
名前じゃなく。
分類として。
⸻
「じゃあ、新しい名前いるね」
気づけば私はそう言っていた。
司書がこちらを見る。
返却拒否体も、少し困ったように固まる。
「だってずっと“返却拒否体”は寂しいじゃん」
『……なまえ』
その言葉を、初めて聞くみたいに繰り返す。
私は少し考える。
朝の光。
ほどけたノイズ。
生まれたての星。
そして。
“返したくなかった”んじゃなく、“消えたくなかった”だけだった存在。
⸻
「……澪、とかどう?」
『みお』
返却拒否体――いや、“澪”が小さく呟く。
「水の道って意味あるんだって」
私は窓の外を見る。
夜と朝の境目。
光が流れ込んでくる。
「止まってたものが、また流れ始める感じがして」
澪は、しばらく黙っていた。
それから。
ほんの少しだけ笑った。
たぶん初めて。
ちゃんと“自分の意思”で。
『……みお』
胸元の星核が、やさしく光る。
すると図書館のどこかで、小さな鈴みたいな音が鳴った。
司書が目を見開く。
「登録音……?」
「え?」
彼は信じられない顔で空間を見上げる。
そこには、淡い文字が浮かんでいた。
⸻
【恒星核個体 登録完了】
【識別名:澪】
⸻
図書館が。
新しい存在を、“受け入れた”。