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・_^
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14歳の少年、太郎は、親からネグレクト気味の扱いを受けていた。そんなある日、倒れている老人を見かける。財布をくすねるつもりで近づいたが、老人に気づかれ、ごまかしているうちに、老人から「助けてくれた」と勘違いされた。そして、お礼として妖怪を捕まえ、使役することのできる壺をもらった。壺の力は本物だった。その壺で妖怪を捕まえ、夜道を歩く女子高生などにいたずらをして遊んでいた。
ところが、太郎が壺を忘れて学校に行っている間に、父二郎が兄一郎(太郎の伯父)にその壺を渡してしまう。一郎は一時的な壺の所有者として、すでにとらえた妖怪を使役する力を得た。ろくでなしの一郎は、その壺の力を使って周囲の人間を破滅させる。
前回のいたずらがいたく気に入った一郎は、もう一度、少し趣向を変えて同じことを試すことにした。今度はショッピングモールではなく、小学校の校庭だ。そこに空気でふくらます簡易ベッドを持ち込み準備する。
「さて、昼間っからイチャイチャしているカップルに、お仕置きだ」
今度は周囲に幻を見せるのは最初だけ、あとは一部始終をさらしてやる。
一郎は前回のショッピングモールでの一件に、病みつきになるほどの快楽を覚えていた。あのカップルの絶頂の余韻が崩壊する瞬間、甘い絶望の香りが鼻をくすぐる。もっと大胆に、もっと公衆の面前で――そんな衝動が彼を駆り立て、次の舞台を決めた。それが小学校の校庭だ。
昼間の体育授業中、子供たちの歓声が響く中、空気で膨らます簡易ベッドをこっそり持ち込み、蜃の幻で周囲の視線から隠した。ベッドは柔らかく広がり、校庭の隅、木陰にぴったり収まる。
「ふん、昼間っからイチャイチャしてるカップルどもに、特別なお仕置きだぜ。一部始終を、ガキどもに見せつけてやれ」
壺を握りしめ、一郎は獲物を探した。街中で、20代半ばの社会人カップル、拓也と美咲が目に入った。拓也はカジュアルなシャツにジーンズ、美咲はミニスカートが脚を強調するスタイルで、手を絡め、熱い視線を交わしている。
二人はラブホテルの入り口で、唇を軽く触れ合わせ、チェックインを済ませる。一郎の目が輝き、命令を下した。
「ウバ、蜃――お前らで、こいつらを小学校の校庭へ引きずり込め。ホテル部屋の幻を見せながら、道を迷わせろ。体が熱く疼き、抑えきれなくなるように、じっくり煽れ」
本来は山野で人を道に迷わせる妖怪であるウバの力が忍び寄り、カップルの感覚を蝕んだ。エレベーターに乗り、部屋へ向かうはずの廊下が歪み始める。美咲の息が浅く乱れ、拓也の手に熱い汗が滲む。
ホテルの出口を抜け、無意識に街路を歩き、小学校の正門へ導かれる。校庭は体育授業中で、子供たちがボールを追いかけ、教師の声が響く。美咲の頰が紅潮し、拓也に体を擦り寄せる。
「拓也……なんか変だけど、体が熱い……早く、部屋で抱いて。激しく、壊れるくらい」
拓也の目が獣のように曇り、彼女の腰を強く抱く。スマホの地図はウバの影響でぼやけ、二人は校庭の隅、簡易ベッドのある木陰へ向かう。蜃の幻が一気に広がった。
「蜃、こいつらに贅沢なラブホテル部屋の幻を見せろ。周りのガキどもや教師にも、最初だけ幻をかけて、カップルを隠せ。ベッドはただの空きスペースに見せろ」
蜃の力が校庭を覆い、カップルにはそこがムーディーなホテル部屋に見えた。壁は厚く、音を遮断。ベッドは柔らかく、体を沈み込ませる。周囲の子供たちや教師には、二人の存在が「何もない芝生」としてしか映らず、視線を逸らす。
何も知らない二人は仮想のドアを閉め、互いの体に手を伸ばした。
(続く)
コメント
1件
第21話、読み終えました……いやもう、一郎の悪趣味さがどんどんエスカレートしててゾッとしましたね。小学校の校庭ってチョイスがもう、彼の倒錯したセンスを如実に表してる。カップルを無意識に誘導するウバと蜃の連携も不気味で、現実がじわじわ歪む感じが鮮やかに描かれていて、読んでて背筋が冷えました。続きが気になる!