テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
世界で一番大好きな人がいる。
強くて優しくてかっこよくて、私の話をちゃんと聞いてくれる。
おかあさんはあたしのことを見てくれないけど、‘’イザナ‘’は違う。
おかあさんが何日も帰ってこない日、イザナはずっとあたしのそばに居てくれた。
おかあさんに殴られて泣いていたあたしの目元を、イザナは不器用な手つきで拭いながら「泣くなよ」と珍しく困ったような顔をして慰めてくれた。
その一言だけで、心の奥の小さな棘がすっと消えた気がした。
だいすきで、
たいせつで、
だれにも渡したくない。
朝。
瞼越しに感じる太陽の眩しさに、あたしは目を閉じたまま、少しだけ顔を歪める。布団からはみ出た自身の体を冬暁の空気の冷たさが撫でた瞬間、パチリと反射的に目が覚めた。ソファで寝落ちしてしまったせいか、起き上がると関節のあちこちでギシギシと音が鳴り、筋肉痛のような鈍い痛みを感じる。
そのまま寝起きで霞む目を数秒擦り、視界を定めた瞬間、自分の家ではないがひどく見慣れた天井が見えた。
『……?』
生活の痕跡が薄い無機質な部屋。室内には必要最低限の家具の他に、アコースティックギターや綺麗な魚が泳いでいる水槽が整然と並んでいた。しんとした静かさの中、ヒーターの低い作動音だけが僅かに聞こえてくる。
そして、あたしの腕のすぐそばにあるサラサラの白髪が視界に触れた瞬間、頭の中でパチンとなにかが弾けるようにして、睡魔に襲われていた意識が明瞭になった。
すぐそばにある机に置かれている大好きな花札の耳飾りを見つけると、目覚めたばかりでぼーっとしていた頬が無意識のうちに小さく笑みを作る。
『……そうだ。ここ、‘‘イザナ’’の家だ』
ぽつりとそう呟いた瞬間、だんだんと脳が記憶を思い出していく。
── 昨日の夜、いつまで待ってもおかあさんが帰ってこなくて。
夕飯を買いに行こうと外に出た時、偶然イザナと会って。
『それで泊まらせてもらったんだっけ…』
そう言いながらふと時計を見ると、時計の針は7時を指していた。そのまま視線を横にずらして壁にかけられているカレンダーを見ると、日付は平日で学校がある日だと理解する。途端、「せっかくイザナといられるとおもったのに。」と、小さくため息を吐き、憂鬱を抱えたまま自身の体をソファから引き離したその瞬間。
「……〇〇?」
不意に低く、寝起き特有の掠れが残った声があたし の名前を呼んだ。
それと同時に、毛布の中から伸びてきた褐色の腕にぐいっと腰を引かれ、起き上がろうとした体をそのままやんわりとソファの上に押し戻された。
「わっ……」と、小さい悲鳴を上げながら視界を動かすと、睡魔の抜けていない紫色の瞳と視線がぶつかる。
『おはようイザナ』
そう言って笑うと、イザナはゆっくりと起き上がり、しばらくぼんやりとすると、ふらふらとしながら私の肩に 顔を埋めた。不意に近づいたイザナとの距離に胸がきゅんっと鳴り、さらさらな短い髪が私の首筋に当たって少しくすぐったい。
「……今日帰んの」
しばらくくすぐったさに身を任していると、不意に湿った低い声が自身の耳元にぼそりと落とされた。
『うん、多分おかあさん帰ってきちゃうし』
あたしがそう言うと、イザナは僅かに語尾を落とし、不満を滲ませた声で「あっそ」とだけ短く告げた。その表情を伺おうと、少しだけ首を動かそうとした瞬間、動くなというように自身の首筋に預けられている白髪の髪にぐっと力が入った。
そんな彼の様子に、怒らせちゃったかなと不安に思いながら私は口を開いた。
『……また泊まってもいい?』
首をこてんと軽く傾げながらそういうと彼は一瞬だけ黙り込み、無愛想だがどこか満足気な声でぼそりと告げた。
「……好きにしろ」
その言葉を聞いた瞬間、胸の中にぱあっと花が咲くように喜びが広がっていき、私は思わずイザナに抱きついた。
『やった!イザナだいすき!』
呆れたような、それでいてどこか優しさを含んだため息が頭上から聞こえてくる。そんな何気ない仕草に胸が勝手にドキドキと反応してしまう。
やっぱり、ほんとに、だいすき。
なんか最近データ消えるんだけど!!!
せっかく2000文字くらい書いたのにぜーんぶ消えやがった!!!ぴえん!!!
変なところで切るねごめんね😿