テラーノベル
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🖤💚許されない距離【1話完結】
⚠センシティブ表現あり⚠
※本作には、大人向けの関係性描写があります。ご注意ください🙇
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それぞれに大切な人がいる。
それでも、交わってはいけない線のすぐ手前で、気持ちは静かに揺れていた。
大人だからこそ、わかってしまう。
踏み越えたら戻れないことを。
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🧡「めめー!今日は阿部ちゃんとのMV撮影やろ?
あんまイチャイチャせんといてな?」
冗談めかした声に、目黒は小さく笑った。
🖤「ふふ、わかってるよ」
そう言って、目の前の康二の頭を、いつもと変わらない優しさで撫でる。
何も疑っていない、その仕草が胸に刺さる。
🖤「じゃあ、行ってきます」
🧡「いってらっしゃーい!」
背中に投げられた明るい声を受け取りながら、目黒は扉を閉めた。
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同じ頃。
🩷「阿部ちゃん、今日目黒とのMV撮影だっけ?
なんか…さみしいなあ」
素直な声に、阿部は一瞬戸惑う。
💚「帰り、遅くなっちゃうかも…ごめんよぉ」
🩷「じゃあさ、代わりに明日はゆっくりお出かけしよ!」
💚「うん。約束ね!行ってきます」
笑顔で手を振る佐久間を残し、阿部もまた現場へ向かった。
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撮影現場は、静かな緊張感に包まれていた。
大人の雰囲気をまとった二人は、指示に従いながら淡々とシーンをこなしていく。
肩が触れ、頬が近づく瞬間もあるが、そこに私情を挟む余地はない。
——はずだった。
カメラが止まり、張りつめていた空気が少しだけ緩んだとき。
目黒は自然な動作で、カフェラテを差し出した。
🖤「撮影、お疲れさま」
💚「ありがとう……」
阿部はゆっくりと口をつける。
🖤「……ふっ。阿部ちゃん、口についてる」
目黒の指が、何気ないふりをして唇に触れた。
💚「……っ、自分で拭けるって……」
視線を逸らす阿部を、目黒はじっと見つめる。
🖤「このあと、予定あります?」
一瞬、佐久間の顔が浮かんだ。
けれど、真正面から向けられる視線に、阿部は目を離せなかった。
💚「……ないけど」
🖤「じゃあ、お酒でも奢りますよ」
💚「いやいや、いいよ。俺が出すから。……
行こっか」
その一言で、何かが静かに動き出した。
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居酒屋の灯りの下で、阿部の頬はほんのりと赤く染まっていた。
🖤「そういえば、腰はもう大丈夫ですか?」
💚「ちょ、めめ。こんなところで、そんな話……」
🖤「ここだけ聞けばただの腰痛の話だって思いますよw」
💚「あ…そうだよね」
冗談めかした声に、阿部は安心したようで、同時に顔をさらに赤くする。
🖤「……かわいい」
目黒は阿部の手にそっと触れるーー
💚「だめだって……お互い、いるのに」
🖤「今は、その話しないで」
🖤「……俺、また阿部ちゃんに触れたいです」
💚「今日も……行くの?」
🖤「……行きたい」
阿部は何も言い返せなかった。
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💚「はっ………あんっ んんっ…」
目黒は優しく阿部を抱く。
阿部はそっと目黒の背中に腕を回し、抵抗を手放すように身体を預けた。
💚「きもちぃ…もっと…ここ触って…」
🖤「阿部ちゃん…いやらしすぎ」
🖤「…このまま出していい?」
💚「んんっ…出し、、て」
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夜は何事もなかったように更けていく。
🖤「ただいまー」
🧡「めめ!おかえり!」
飛びついてくる康二を、目黒は受け止める。
🧡「遅い!さみしかった!」
🖤「ごめんごめん!ちょっと阿部ちゃんと飲んでてさ」
🧡「んもう!
お風呂沸いてるから!
ちゃんとゆっくり休むんやで?」
その優しさが、胸を締めつける。
——ごめん、康二。
そう思いながら、目黒はスマホを手に取った。
🖤「今日はありがとうございました」
⸻
一方。
💚「ただいまー!」
🩷「おかえり!撮影どうだった?」
💚「無事終わったよー!」
🩷「おつかれさま!完成楽しみ♪
お風呂、もう沸いてるよ!」
優しい日常に戻るほど、心が重くなる。
——佐久間、ごめんね。
そのとき、スマホが震えた。
🖤「今日はありがとうございました」
一瞬ためらい、それでも指は止まらなかった。
💚「……次は、いつ会える?」
送信された文字は、もう取り消せなかった。
おわり。
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