テラーノベル
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結局、次のデートまでに目的地を決められなくて、どこのテレビ情報を見てもピンと来ない。
だって元はと言えば、
どこに行っても隣には先生がいる。
今までは国語準備室に行けば先生がいるのが特別だったんだもん。
金曜日、先生から電話がきた。
《もしもし?》
私は緊張した、ブルブルの声で答えた。
❮おーい。今何してた?❯
《え?今は…特に。》
先生とのことをずっと考えてました、なんて恥ずかしくて言えない。
❮目的地の連絡ないからさぁ、どーした?❯
《…緊張しちゃって、いいとこ見つかんないです。》
言ってしまった…
と後から自分の後悔で押しつぶされそうになる
❮なーんだ。じゃ俺決めていい?❯
《えっ!?全然ありがたいです !》
❮じゃー任せとけ 笑❯
《ありがとうございます 笑》
この”まかせとけ” は先生にしか似合わない言葉。
❮夜更かししずに寝ろよー?❯
《わかってますよー 笑》
この、もうすぐ終わってしまう現実が悲しい。
❮じゃ、また明日なー❯
《おやすみなさい》
でも、また明日 があることが嬉しい。
今夜は、明日のために新しく買ったシャンプーで髪の毛を洗って寝よう。
・
朝6時。
いつもだったら9時台に起きるけど今日は先生が「時間かかるから」と8時に迎えがくるから6時に起きる。
今日は デート だから。
ピンポーン
『先生っ!』
先生に会いたい欲が強すぎて、ピンポンがなっただけで『先生』と飛び出してしまった。
「おぉ笑」
「これで先生じゃなかったらどーすんのよ。」
『それとこれとは別ですー 笑』
「さ、行くよ。」
『はい。』
朝からこんなくだらない話を先生としていいのか。
いや、もう悩まなくていいんだよ。
だって、私は先生の彼女なんだもん。
・
今日も最近ずっと乗っている助手席に座った。この助手席が私だけのものだったらいいのに
叶わない希望。
『何処に行くんですか?』
出発してから10分くらいだろうか。
そーいえば聞いてなかった行き先を聞く。
「えー?秘密ー」
『なにそれ 笑』
「お前、絶対しってるから。笑」
『えー、何処だろ。』
「ま、楽しみに待っとけって。」
そんな会話をしている車の窓の外に映る。
海。
もっと、近くで見たい
先生の、隣で
フワァ。
そんなことを考えてたら自然とアクビが出てしまった。
「なぁーに。そんなに不満?」
『えっ!?あ…いやいや!』
「ふはっ、音楽かけるか。何がいい?」
『なんでも…大丈夫です。』
つまんない回答。
「なんでも」なんて。
・
コメント
7件
しょぴとデート最高じゃん!? 毎回妄想しまくってやばい笑
妄想しすぎてぜんぜん繋がらない 妄想を辞めたい! みな毎回神作品なのなんでなん羨ましいわ🥺✨ 尊敬します✨ 続き楽しみ!